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「え？あ、あぁ…そうですね。良いところでしたよ。こんなこと言うのもあれですが、ここよりは空気も美味しいし、人も優しいし…。あ、ごめんなさい…別に東京の人が冷たいとか、そういうことじゃ…」
「大丈夫、分かってるって。でも、あながち間違いじゃないよ。東京の空気は汚れてるし、案外他人は冷たいよ…。知らないけど…」
「は、はぁ…。あ、でも。東京にもお気に入りの場所が、あるんです」
そう言う宮世君の声は、さっきより、少し明るくなったような気がした。
この宮世君が気に入る場所なんて、あるのだろうか。
「こっちに越してきて、すぐの事なんですが、僕は東京の探索でもしようと思って、散歩がてら出掛けたんです。当時は道も場所もよく分からなかったので、どんどんとよくわからない場所に迷い込んでしまって、気が付けば、ひとけのない原っぱみたいなとこに辿り着きました」
「へぇ…。東京にそんなとこあるんだ…」
「そうですね…。僕もびっくりしました。なんだか、そこだけ違う空間で、僕しかこの世界にいないみたいな、そんな不思議な感じでした。そして、そこに一本の桜の木が立ってたんです。満開に咲くその桜が、とっても綺麗で、気が付けば一日中その桜を見てました。とっても素敵な場所だったんですよ。まるで東北に住んでた時に見た桜みたいで、今思い出しても懐かしい…」
そう語る宮世君は、心なしか目を輝かせ、少し明るい声で、元気になっていたような気がした。
「良かったじゃん。俺も今度連れて行ってよ」
そう言うと、宮世君の顔はまた元の様なうつむき顔になってしまった。
何でだよ…。
「あ、はい…。そうですね…。またそのうち…」
「あ？何だ？俺とじゃ嫌なわけ？」
「えっ？あ、いや、ち、違います！そういうことじゃなくて…。す、すみません…」
「じゃあ約束な。次の春に、一緒に花見しようぜ」
「は、はい…」
と、無理矢理約束させたところで、宮世君の足が止まった。
何事かと辺りを見渡すと、川沿いの通りに、マンションが建っている。
ざっと８階ほどあるだろうか。
「ここです」
そして宮世君はそのマンションを見上げていた。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
