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「そう言えばずっとその制服じゃん。服貸してやるから風呂入ってくれば？」
「え…？あ、あぁ…。お構いなく…」
「いや、お前がよくても俺は嫌なんだけど」
じゃあ、外に出してくれ、とはさすがに言えないため、僕は仕方なく先輩に従うことにしたのだが、
「あっ…」
そこで僕はあることに気が付いた。
「あ、あの…」
「何？」
「えっと…すみません…。やっぱり、家に帰らせてもらえませんか…？」
「何で？」
「パ、パンツだけ…取りに行かせてもらえませんか？」
特別潔癖症、と言う訳ではないけれど、さすがに下着を何日も同じものを履きたくないし、洗っているとはいえ、人の物を履くのも正直気が引ける。
新しいものを買うお金も今は持っていないし、どのみち家に帰ってお金も下着も持ち出すしかない。
「パンツか…。まぁしょうがないか…」
「す、すみません…」
「じゃあ俺も行くわ。お前ん家」
「えﾞ…」
予想外の返答に、僕は思わず、踏み潰された蛙のような声を出してしまった。
どうして、この先輩はこんなに僕に気を使ってくれるのだろうか。
ありがたいんだけど、やっぱり、今の僕には少し重いというかなんというか…。
「い、いや、大丈夫ですよ…。子供じゃないですし、一人で帰れますよ…」
「……。その後お前どうするつもりだよ？そのまま、またあの公園に戻るつもりなんじゃないの？それか、もっと別の場所に…」
「……」
正直、僕はそう考えていた。
この人から逃げて、どこか違う場所へ行こうと考えていた。
そう、"違う場所"へ。
「やっぱりそうじゃん…」
「す、すみません…」
「謝ることはないけどさ。俺も行っていいよね？」
さっきよりも強めの口調でそう言われ、僕は少したじろいでしまった。
だからもう、「はい…」と答えるしかなかった。
「よし、じゃ、行こっか」
板垣先輩は、まるで僕が子供であるかのように、頭を優しくポンポンっと撫でてくれた。
何故だろう。
この時、僕はあまり嫌な気はしなかった。
多分、兄がいたら、こんな風だったのかなと、僕は昔家族三人で仲良くしていた東北での暮らしを思い出したのだ。
しかし、僕らは足止めを食らうことになる。
雨の降りしきる中、先輩の家に鳴り響くインターフォンの音によって。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
