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「あー、めっちゃ雨だね」
「は、はぁ…」
曇天から降り注ぐ大粒の雨が、打ち付ける激しい音と共に視界を何度も通り過ぎていく。
そして、隣で朝から寝ぐせの治っていない板垣先輩を横目に、僕は気の抜けた返事を返した。
結局、今日一日こんな夕方になるまでこの人の家にお世話になってしまった。
何度この家を去ろうとしても、何かと理由を付けて僕を引き留めてくる。
「この漫画が面白いから読んでみて」とか、
「このテレビ面白いから一緒に見よう」とか、
「お昼ごはんもどうせなら食べていきなよ」とか、
きっと悪気があるわけじゃない。
あんな話を聞いて、僕を助けてくれているんだろうと思う。
だけど、まだ出会って24時間も経ってないような僕に、果たしてそこまでする価値があるのかどうか、甚だ疑問だ。
嬉しくないわけじゃないけど、僕にとっては有難迷惑な話でもある。
なんて、少し贅沢を言い過ぎだろうか。
「あ、あの、そろそろ…」
「え？こんな雨じゃ帰れないでしょ。いいよいいよ。今日も泊っていきなよ。親も別に何も言わないしさ」
「いや、そういうことでは…」
「何？着替えなら俺の使えばいいし、風呂も入っていいからさ」
「は、はぁ…」
と、また押し切られてしまった。
果たしてこんな強引で突拍子もない人が、本当に引きこもりなのだろうか。
しかし、どうしても家に帰らなければならない真っ当な理由も思い浮かばず、外に出る理由もない為、この人に言われるがままにされてしまっている。
「本当に良いんですか…？」
「良いって言ってるじゃん。逃げ道同志、仲良くしよーぜ、宮世っち」
逃げ道…？
もしかして、逃げ腰とでも言いたいのだろうか？
逃げ道じゃ、意味が全然違ってくるのだが。
しかも宮世っちって。
一体いつから僕達はそんなに仲が良くなったのか。
「は、はぁ…」と、僕はまたも気の抜けた返事を返してしまった。
この人の家に来てから、何度この返事をしたことか。
まぁ、さっきも言ったように悪気があるわけでもないし、悪い人でもないのだけど。
少し、疲れる…。
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milkssss(プロフ) - めるてぃーさん» ありがとうございます！明日には完結できるように頑張ります！！ (2020年1月30日 19時) (
レス) id: a9a20d4e33 (このIDを非表示/違反報告)
めるてぃー - 更新がはやいので嬉しいです、頑張ってください！ (2020年1月30日 5時) (レス) id: 3d377f7936 (このIDを非表示/違反報告)
milkssss(プロフ) - みるくさん» コメントありがとうございます。そういっていただけて嬉しいです！ (2020年1月21日 18時) (レス) id: 81ca320fbb (このIDを非表示/違反報告)
みるく - すごく続きが気になります！ 更新頑張ってください！ (2020年1月20日 21時) (レス) id: 715edf2e0a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：milkssss | 作成日時：2020年1月20日 19時
