ジュブナイリズム【M!LK】前編 (ページ31)

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彼は、いつもクラスの中心で、面白くって、誰にでも優しくって、困ってる子がいたらすぐに手を差し伸べて、比喩なんかじゃなく、本当に太陽のような存在だった。
俺がそんな佐野君を好きになるのに、時間はかからなかったな。
入学してから一週間後には、胸が苦しくなるほど好きになっていたっけ。
ほとんど一目惚れだったけど、今でも変わらず、あの時以上に、俺は佐野君が好きなんだ。
だけど、時々、頭がおかしくなるほど、死にたくなるほど、辛くなる。
ただ見てるだけの一方通行の片思い。
こんなに近くにいるのに、彼は一番遠くにいるんだ。
日に日に膨らんでいく俺のこの胸の苦しみが晴れる日は来ない。
来るはずないんだ。

俺が佐野君をこんなに好きだなんて知られたら、そりゃ本人だけじゃなく、クラスメート全員に、いや、全校生徒、全教員、その親、その他諸々に気持ち悪がられて、悲惨なことになるに決まっている。
それが今の世論だ。
つまりは俺は異端児で、普通の世界の外の住人と言う訳だ。
そりゃ、テレビとかでは今でこそそういう同性愛というものが大きく取り上げられたりして随分寛容的になってきているのかもしれないけれど、俺達みたいにまだ大きな世界も知らないような高校生の世界にとっては、これは許されざる恋と言って過言ではないのだ。

なんで俺はこんな人間なんだろうってたまに自分が憎らしくなるけれど、それでも、佐野君の事を考えると、それもどうでも良くなってしまうほどに、彼のすべてを愛してしまった。

この思いは、もう、どうすることもできない。

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