何番目でも良いので貴方のオンナにしてください

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あの日以来、パタリと嫌がらせはなくなって


その日のうちに上履きは
多少ボロくなりながらも返ってきたし
靴箱も綺麗になっていた。



「樹が取り巻きのオンナに言ったってさ。

珍しい」



借りた上履きを洗ってから返すから遅くなると
松村くんに言おうと

生徒会室に寄った時、


上履きはそのままで良いと手から奪われ
松村くんはそう言った。




田中くんが、周りのオンナに何か言うことは
ほとんどないのだとか。



オンナ同士の揉め事は暗黙のルールながらも
実際、揉めることはあって、
そんな時も我関せずらしい。



『松村くんも、ファンいるじゃん。
ファン同士揉めたり、仲良くしてる女子が
嫌がらせ受けたりしないの？』



生徒会長さんを差し置いて
堂々の人気を誇る松村くんは
次期生徒会長が確定しているほど、

成績優秀、容姿端麗な人だ。



「俺は元々、
好いてくれるのは有り難いけど

トラブルがあったら
容赦なく立ち去ってもらうって言ってあるから」



厄介者を切り捨てる松村くんが容易に想像がついた。

ちゃんと、決め事があるお陰で
松村くんと私もこうやって普通に話せているんだろうな。



「でも、樹とかと俺はタイプが違うから。
アイツはアイツなりにオンナに気は遣ってるんだけどね」



と、松村くんは田中くんのフォローをした。

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