恋愛対象外 (ページ45)

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第95話憎しみページ45

「あの、Aさんって、もしかして先生と
付き合ってたりとか…？」

『アホ抜かせ、あの馬鹿と付き合うなんて
真っ平御免だよ』

「ええ？！」

なんてぶつくさ文句をいえば憂太は
すみません、と呟きながらしょんぼりする

けれど、彼の頭にポンッと手を置き
苦笑しながら言った

『…って言いながら、悟は
私にとって特別な人だけどね』

なんて、言ってみる。

すると憂太も棘も揃いも揃って
嬉しそうな反応。

やばいな逆に変に期待持たせちゃったか

『お前らこれ悟に言うなよ。
あいつ調子に乗るから』

「わかりました！」

「しゃけ」

そんな話を続けながらようやく
伊地知のいる場所まで辿り着き帳を解除。

「良かったです皆さん無事で！！」

「Aさんが来た時は何事かと思いましたけどね」

「しゃけしゃけ」

なんて、3人の会話を薄く微笑みを浮かべながら
見つめる中、先程憂太に言われた言葉をぼんやり
思い返す

(悟、ね。)

本当は知ってるんだよ
悟が私に好意を抱いてくれていること。

けれど、私はずっと知らないふりを続けている

もう過去のような感情はないけれど
"あの人"に憎しみという名の感情を抱いている
愚かな私なんて、

『こんな気持ちで悟の隣になんか
立てるわけねーだろ』

そう1人呟いた声に、誰からも返事は返ってこない

「Aさん、そろそろ出発しましょう」

『嗚呼、今行く』

こうして、無事任務は終わった

が、

あの話を他の誰かに聞かれていたなど
この時の私は思いもしなかった