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第86話 終わりの始まり ページ36

あの後、街中で立ち尽くす俺の背後から
誰かに背中を思い切り叩かれ、振り向く



そこにはAが立っていた



「お前、こんな所で何して…」



そう思ったが、彼女を見てその言葉を止める



何があった?A



彼女の目は瞳孔が開き、今にも誰かを
殺してしまいそうな程鋭い



まさに傑のようだった



「まさか、…会ったのか?」



そう聞くが彼女はなんの事?としらを切る



『何も無い 高専へ戻ろうか 悟』



そう言った彼女に俺は黙ってついて行った




ーー
ーーー




高専へつき、報告を聞いた夜蛾先生が俺に言う



「なぜ追わなかった?」



「…それ聞きます?」



「いやいい、悪かった」



静寂に包まれ、先にそれを破ったのはAだった



『"夜蛾先生"、貴方に1つ頼みたい事が』



「…どうしたA…?」



先生のどうした、はその質問に対しての回答ではない
恐らく変わった彼女の冷えきった表情に対して言ってるんだろう



そしてAは静かに口を開いた




『特級の件について、あの話受けましょう』



「「 …! 」」



『夏油傑は私が処断する。それが元恋人としての
最後の礼儀だと思うから』




そう言った彼女の声色はとても酷く冷めたものだった




『悟、お前もうかうかするな
私に追い越されないように』



「…あぁ楽しみだよ」



そうしてAは特級となり、
数々の功績を残していき高専の要となる。



そして、俺は生徒を導く教職へとつき



それから10年の時が流れ



2016年、11月。



再び物語は幕を開ける

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作者名:xoxo | 作成日時:2021年4月12日 1時

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