恋愛対象外 (ページ4)

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第54話ヴァジュラページ4

明王、ヴァジュラ
とは金剛夜叉明王の別名だ。

そして、契約成立のあの言葉
つまりAは死に間際相手に攻撃を集中するのではなく召喚する事に力を使ったことが分かる

多大なる呪力量に底を尽き殺られたか。

「…何の縛りで蘇った？」

「『知りたいか？この女の魂だ
死後、我に喰らわすという条件で
再び蘇らせた迄。この女に呼ばれ
勝手に力を使われるのにも飽きた
この女の正式な器として契約すれば、再び
思うようにこの体を使える』」

「…で当本人お前の主は今何してる？」

「『五条悟が殺られた事を知って言うに
センチメンタルと言うやつだ
そのような精神では我を抑え込めまい』」

なるほど、どうりで。

しかし、

ヴァジュラは守護神として、祀られている者。
はるか昔は人間をくらう悪鬼として世を
震慄させた化け物だ。
見るに、今の奴はその悪鬼である事に
違いない、その力は特級仮想怨霊と並ぶだろう

「返せ Aを」

「『出来るか？お前のような人間に』」

とニヤリと笑った瞬間力を増幅させ
Aの体はみるみる変化していく

腕が6本、瞳の下に更に目が開眼し、雷槍を
手に持っている

「しょうこ、下がっていてくれ」

「アンタ、本調子じゃないじゃん殺られるわよ」

「Aを取り戻す為だこの命おしくは無い」

そしてぶつかりあった

ー
ーー
ーーー

場面は変わり、生きていた五条悟は伏黒甚爾と
対峙し勝利。

横たわる今は亡き天内の体を抱けば教徒の連中に
拍手をされる

こいつら人間じゃねえ

なんて、冷えた心で奴らを睨みつけたその時

ドォオン！！と鈍い音ともに壁を突き破り
傑が地面を滑る

「…傑？」

「悟…！」

と言った瞬間、奥から人間とは思えない異形の
彼女が現れた

「あれA、か？」

「あぁ、ヴァジュラの器として蘇ったが
アレは私達の知るAじゃない」

そして、背後にいる教徒達は天内の死を見て
拍手する手を止め狼狽えているが

Aはと言うと悟を写した瞬間「『この女！』」
と言葉を残し、異形の体は静かに消え、
彼女に戻っていった

「…戻ったの、か？」

「A？」

恐る恐る彼女に問いかければ

『傑ごめんただいま』

「A…！」

走り出し、彼女を強く抱きしめる

『悟、生きてて良かったよ
よく良く考えればお前死ぬたまじゃねーもんな』

と綺麗に笑った