第68話 現実 ページ18
任務も終わり高専へと帰宅する
重い体を動かし教室の扉を開ければ
神妙な顔付きで話すしょうこと夜蛾先生が目に入った
｢どうかしたか？｣
｢夏油、あんたAと連絡取ってる？｣
｢……一体、どういう事？」
何やら嫌な予感がする
彼女とはつい数日前連絡を取ったばかりで
任務内容を聞く限り既に帰っているはずだ
｢帰ってきてないんだよずっと｣
｢…！｣
｢それほど大きな任務ではないはずだ、
だが、連絡が付かなくてな、傑お前まで
連絡が途絶えているとなると、やはり何か
あったかもしれん…｣
そんな話を聞き、すぐさま彼女に電話を入れる
しかし、何度かけても繋がらない
一体何があった
次第に焦りが不安へと変わり、私は
教室を出ようと踵を返したその時先生に止められた
｢傑、Aの元へは既に悟を行かせてある
比較的、悟の方が近かったんでな｣
｢…何故それを早く私に言わないんです？｣
なんて、怒りが込み上げギロリと睨むが
その間にしょうこの声が入った
｢私と五条の判断だよ。
あんた最近、疲れきった顔してるし
任務途中に話して何かあったらどうすんの？｣
なんて、言われピタリと止まる
私の、せいか。
"あの日"から拭えない疑問。
それに頭を悩ませていたのは明白で己の葛藤に体が思うように動かないのは本当だった
｢問題ない 私は自分の事よりも彼女の方を
優先する｣
｢ちょっと夏油待って！｣
なんて、教室から出ようと思ったその時
｢…… よ。傑｣
｢さ、とる、｣
帰宅した悟、しかし悟が横抱きにし
抱き抱えているのは紛れもないAだった
｢A！！｣
｢五条何があったわけ？！｣
みんな総出で悟を囲うが、彼女は傷だらけで
ピクリとも動かない
まさか死んでるんじゃないだろうな
なんて、あの時の記憶がフラッシュバックし
冷や汗が流れるが悟が静かに首を横に振った
｢眠ってるだけだけ、だから大丈夫｣
とポソリと呟く悟だが私たちはあることに気がついた
｢ねえ、その傷跡、何？｣
呪霊と戦い、できた傷とは思えない顔の痣。
何か鈍器のようなもので殴られなければこのような
あとは残らない
一体何があった、と小さく呟けば
｢村の連中にリンチにされてた｣
と殺意ある声が教室に響いた
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作者名：xoxo | 作成日時：2021年4月12日 1時
