恋愛対象外 (ページ1)

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第51話亡き者ページ1

天元様のお膝元、国内主要結界の基底
薨星宮本殿

「階段を降りたらもんをくぐってあの大樹の
根元まで行くんだ。そこは高専を囲う結界とは
別の特別な結界の内側、招かれた者しか入る
事は出来ない」

同化までは天元様が守ってくれるし、私たちの任務はここまでだ

そう説明するが理子ちゃんの表情は晴れない

「…それか引き返して黒井さんと一緒に帰ろう」

「…え？」

「担任からこの任務の話を聞かされた時
あの人は同化を抹消と言ったあれはそれだけ罪の
意識を持てということだ。君と会う前に悟達との
話し合いは済んでる」

君が例えどんな選択をしようと、君の未来は
私達が保証しよう

まだ幼いその年で全てを背負う必要は無い
君の生き方は君が決めるんだ

そう思っていれば彼女は静かに口を開いた

「皆と離れ離れになっても大丈夫だって思ってた
どんなに辛くたっていつか悲しくも寂しくも
無くなるって。」

でも、

「でも、やっぱりもっと皆で…一緒に居たい…！
もっと皆と色んな所に行って色んな物を見て
もっと思い出作りたい…！」

ポロポロこぼれる大粒の涙、やっと
彼女の本心が出た心の奥底の本音。

そんな理子ちゃんに手を差し出しながら
私は言った

「帰ろう理子ちゃん」

黒井さんの元に。とにこりと口角をあげ
満面の笑みで返事をした瞬間だった

パァン！

私の目の前で彼女が力なく倒れる

…理子ちゃん？

「はいお疲れ、解散解散」

そこに立っていたのは先程悟に任せた男だった

「なんでお前がここにいる」

「なんでって、あぁそういう意味ね
五条悟は俺が殺した」

「…！！」

悟が、負けた？

あの悟がこの男に敗れ死んだのか？

そんな馬鹿ななんて拳を握り
やつを睨む、するとその時男はニヤリと口角をあげ
あるものを私の目の前に投げつけてきた

「"傑"ってお前だよな死に間際
その女が呟いていたっけな冥土の土産にやる」

ドシャッ、と地面に叩きつけられるあるもの、
鈍い音共に、血が地面に溜まる

それはAだった

「…A！！」

名前を呼んでも彼女の返答はなく
ピクリとも動かない、しかしその時彼女の手のひらで
キラリと光るものが目に入った

「余程大事なものらしい死んでも尚離さず
手にしたままだお前愛されてるな」

と男が笑った瞬間、私の中でプツンと何かが切れた

「そうか、死ね」