僕たちの帰る場所3 (ページ37)

今日:8 hit、昨日:29 hit、合計:317,292 hit

. ページ37

sk side

fk「てことで佐久間、阿部ちゃん待っててあげてね」
ふっかにそう言われて、俺はなんとなく浮き足立つ。

阿部ちゃんが紹介したい人…？
どんな人なんだろう。まあ、俺はどんな人が来たとしても友達になる自信があるけれど。

nb「楽しみだな。阿部ちゃんの友達」
「そうだな。この前翔太の友達が来た時も、すごい面白かったし」
nb「ああ、慎太郎？あいつハチャメチャだったろ」
「俺は好きだよ。あ、でも阿部ちゃんの友達ならその心配はないな」
nb「確かに。逆に俺らの方がうるさすぎて引かれるかも」

そんなことを話していると、店のドアが開いて噂の2人が入って来た。

しかし、その姿を見て、俺はある意味期待が裏切られたことを知ることになった。

「大我じゃん…なんで…」
そう、キラキラ笑顔の阿部ちゃんの隣に立っていたのは、初めましての人でも何でもなく、幼馴染の京本大我だったのだから。

『いや、さっくん固まりすぎでしょ』
ab「佐久間ときょもって幼馴染だったのね、さっき知って思わず連れてきちゃった～。もう、教えてよね」

それはこっちのセリフだ。まさか阿部ちゃんと大我が友達だったなんて…
というか、それならこの数時間俺がソワソワしていたのは何だったんだ。

「え、俺に紹介したい人がいるって聞いてるんだけど…？」
ab「あれ？俺、会わせたい人としか言ってないけど」
ため息をつく俺に、阿部ちゃんも不思議そうな様子。

…ということは、犯人はふっかか…
阿部ちゃんも同じことに気づいたようで、二人してふっかの方を一瞥する。

すると、どうやら聞こえていたらしいふっかは
fk「え、あ、知り合い？！」
なんて目をぱちくりさせて、俺と大我を交互に見比べる。そしてその後、俺に向かって手を合わせ、ごめんというポーズ。

一方の大我はマイペースで、店の奥に揃った他のみんなに『京本大我ですー』なんて自己紹介をしている。

nb「京本くんね、まあ座ってよ」
そんな翔太の言葉をきっかけに、俺たちはとりあえず大我を囲んでテーブルにつくことにした。