僕たちの帰る場所3 (ページ38)

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sk side

『さっくんと会うの何年ぶり？俺が大学で実家離れてからだから、相当だよね』

「そうだな。高校までは家が近くだったから、たまに行き来したりもしてたけど…大我パパは元気？」
『うん、相変わらず』

久々に再会した幼馴染に、なんだかんだテンションの上がる俺。
大我が飲んでいるのはライチ系の甘いお酒。
弱いわけではないけどビールはそこまで好きじゃないとかで、大人になっても味覚は変わっていないんだなあなんて考える。

ab「てかみんな近くに住んでたはずなのに、そのとき大我のこと全然知らなかったよね」

その言葉にみんなが頷く。

「大我はお坊ちゃんだからさ、学校もずっと私立で俺たちとは別だったんだよ。だから知らなくても無理ないかも。
でも、それがなんで今さら阿部ちゃんと知り合いなわけ？」

『阿部ちゃんはねー、大学の時にバイト先で一緒になったの』
ab「そうそう、たまたま同じ地方の大学に進学したんだよね。
俺、親の反対を押し切っての一人暮らしだったでしょ？それでお金がないから必死でバイトしてたんだけど、きょもはそんな俺を尻目に社会勉強として働いてますとか言ってて…最初はなんだこいつと思った」

阿部ちゃんがかます毒舌に、みんなで大笑い。

ab「とはいえ、話してみると案外気が合ってさ。すぐに仲良くなって、今でも定期的に遊びに出かける仲なんだ。
出身地が同じって聞いてはいたけど、まさかきょもが俺よりずっと前から佐久間のこと知ってたとは…」

なるほどそういうことだったのか。世間って狭いなぁ…