僕たちの帰る場所3 (ページ12)

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ab「とりあえず二手に分かれて探そう。舘さまと翔太は駅の方頼む。照がふっかの家周辺を探してくれてるから、俺と佐久間は裏通りの方行ってみよう。」

そんな阿部ちゃんの指示のもと、俺達は夜の街を走り回っている。

「ふっかー！」
ab「おい返事しろー！おーい！」

普段からテンパりがちな阿部ちゃんだけど、今日はその比じゃないくらいの焦りようだ。
というか、何だか生気のない顔という方が近いかもしれない。
さっきの電話といい、阿部ちゃんは何を知ってるんだ？

「ねえ、さっきのどういうこと？」

俺の問いに、阿部ちゃんは一瞬言い淀んだけれど、観念したように口を開いた。

ab「ふっか、隠してるけど多分ストーカー被害にあってる。
俺、ふっかの様子が変なのなんとなく気付いてて、だから同じように感じてた照に頼んでボディーガードやってもらってたんだ。だけど、確証を得たいなんて言ってうだうだしてるうちに、こんなことになっちゃって…
完全に俺の作戦ミス。もしふっかに何かあったら、俺は…俺は…！」

そこまで一気に言うと、ほろほろと涙を流す阿部ちゃん。
そういうことだったのか…

「いや、でも、俺たち阿部ちゃんのおかげで事件に気づいたんだぜ？阿部ちゃんはやっぱりいつまでも俺らの頭脳だよ。
それに、ふっかは絶対無事に帰ってくる。絶対に大丈夫だから」

励ましているのか、自分自身に言い聞かせているのかわからない。それに、そもそも何の根拠もない。

でも、俺は本気で信じているんだ。

ふっかは絶対に、俺たちのもとに帰ってくる。