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iw side
この季節が来るのを待っていた。
何といっても、チョコレートは俺の大好物。
ここ最近は、バレンタインのためのレシピ研究だなんて言い訳しながら、チョコレートリキュールのカクテルを作っては飲むのが小さな幸せだった。
kj「照くんまたチョコ飲んでんの？」
mg「本当好きだね」
nb「こんないかつい見た目なのにな」
今日も営業後に一杯やっていると、翔太と康二、そしてめめもやってきた。
康二もめめも、このところ毎日のように閉店後まで店に入り浸っている。特別なお客様を通り越して、もはやスタッフの一員みたいだ。
まあ、実際に宣伝の面では協力してもらっているから、それもあながち間違ってはいないけれど。
「お前らも飲む？」
nb「だから俺は甘いのそんなになんだって」
kj「俺もー」
mg「俺も今日は辛いのの気分だわ」
チョコレートリキュールを勧めてみるけれど、みんなつれない答え。ふっかか阿部あたりなら付き合ってくれそうだけど、あいにく今日は先に帰ってしまった。
nb「でもめめが辛口の気分って珍しいじゃん」
mg「酒は辛いのも結構飲むよ。それに、今日撮影現場で誕生日祝ってもらって、死ぬほどケーキ食ったから」
「ああそっか。めめの誕生日2月だもんな」
mg「そう。誕生日とバレンタインが被るから、毎年この時期は延々甘いもん食ってんの。有難いけど流石に飽きる」
「なんて羨ましい…」
nb「でもさ、今年は俺らもバレンタイン期待大じゃない？ふっかも問い合わせ来てるって言ってたし、企画もあるし」
mg「特に照くんはプロフィールでもチョコ好き公言してるから、きっと結構な数くるよね」
めめのそのセリフを聞いて、翔太がはたと気づいた。
nb「そうじゃん！前々からプロフィールでアピールしてるってずるくね？今年の勝負、絶対照の勝ちじゃん〜」
kj「あーあ。ふっかさんなんて、今年は店長の肩書があるから勝てるかもって喜んどったのに…」
ふざけてすごく大袈裟に残念がる康二を見て、みんなでゲラゲラ笑う。そして俺も、
「まあ、あと数日、せいぜい頑張るんだな」
なんてふざけて返事をしたんだ。この時は、あんなことになるなんて思っていなかったから…
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作者名：わかめ
| 作成日時：2020年1月27日 9時
