僕たちの帰る場所2 (ページ26)

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sk side

俺の目の前で、必死に頭を下げるラウールくん。その気持ちに応えてあげたいのはやまやまだ。けれど…

俺はみんなをチラリと振り返ると、こう言った。
「気持ちはすごく嬉しいんだけど、ただでさえ人手が足りない今、ラウールくんのために俺が店を空ける訳にはいかないんだ」

fk「確かに、佐久間はこの店の重要な戦力だからな…申し訳ないけど」

でも、ラウールくんは諦めなかった。
ru「だったら、この店でバイトさせてください。そしたら少しは人手不足も解消するでしょ？ダンスはその合間とか前後とかでも構わないから、お願いします」

とっさにそんな切り返しが出来るなんて、さてはこの子頭がいいな…？
確かにそれならラウールくんの練習に付き合ってあげることが出来るかもしれない。

ふっかも同じことを考えたようで、収支のことだろうか、何やら阿部ちゃんに確認を取っている。

ab「うん、うん…大丈夫」
どうやら嬉しい結論が出たようだ。

ふっかはこちらに戻ってくると、
fk「そういうことなら店にとってもありがたい。後は佐久間に任せる」
と言ってくれた。

「わかった。そこまで言ってくれるなら協力するよ。あんまり長い時間は取れないかもしれないけど」
ru「やった！佐久間くんありがとうー！」

というが早いか、俺に抱きつくラウールくん。

(え、ちょっと、距離近くない？これが普通なの？ハーフだからなの？)

またしても戸惑う俺をよそに、みんなが笑顔でラウールくんを迎える。

fk「ということで、ラウールくん、ようこそZuhauseへ」