*†*・*†赤鼻トナカイと最低サンタ【Jun&Sho】†*・*†* (ページ27)

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ありがとう、と元気な声で翔くんにお礼を言ったAちゃんは

まだ何か言いたそうにも見えました。

けれど翔くんが「しぃー」ってすると、もうそれっきり何も言うことなく

バイバイって手を振って、家の中へと戻っていきました。

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潤「あ、の……えっと……」

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どう声をかければいいのか、見当が付きませんでした。

そんな僕のほうに無言で翔くんは近付いてきました。

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潤「翔くん…」

翔「一つだけ、分かったことがある」

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そっと伸びてきた手が、僕のツノに触れて

そこに降っていたのであろう雪を一片、摘み上げて宙へと放しました。

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翔「サンタとトナカイは一緒に夢を届けなければならない」

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寒い寒い、冬の朝

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翔くんは、ちょんと。僕の鼻の頭を指で軽く突きました。

「真っ赤だな(笑)」って笑った翔くん。寒かったから、と答えるのが精いっぱいな僕を

………後から思えば。

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ギュってハグしてくれたのは、クリスマスが起こした奇跡だったように思います。

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潤「しょぉくん……」

翔「気色悪い声出すなよ(笑)」

潤「ふふふ……やっぱり翔くんは、最高のサンタさんだ……！////」

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僕は、翔くんの大きな腕の中で青い空を見上げました。

息は、雪にも負けないほどに白かったです。

けれど僕は、温かかったのです。

今年のクリスマスは一生忘れられないものになるだろうなと確信めいたものがありました。