第9話 ページ9
◇
『絶対に変な事しないでよ!』
「其れはお約束出来ません」
覚悟を決めた私は服を脱いでお風呂に入る直前、嫌な予感しかしないので早めに釘をさして置こうと彼に警告した。
しかし返ってきた返事は私を安心させる所か、不安と胸騒ぎを駆り立てるもの…__。
そこは嘘でもいいから“何もしない”と云えばいいのに.
『触ったらぶん殴ってやる』
思い切り睨みつけて言ったものの一切表情を変えないところが実に腹立たしい。
▼△▼
浴室に響く音はシャワーの音────。
嫌々一緒にお風呂へ入って10分位は顔を洗顔したり髪を洗ったりと特に何事も無く過ごしたいた。
恥ずかしい気持ちはあれど案外平気で居られるのは条野さんが盲目で直接私の体を見たり眺めたり出来ないからだ。
その為幾分か羞恥心は軽減した
次に体を洗う作業にお互い成るのだが、今まで無言だった彼が唐突に話し出す……
「Aさん──私の体を洗って下さい」
『_______は?』
なに?何だって?体を洗え?無理に決まってる
「聞こえた筈ですが」
『絶対嫌ッ!!』
「出来ないなら手錠をつけますが宜しいですね」
『宜しい筈ないでしょ!?いい加減その脅しやめてよ!っていうか体ぐらい自分で洗え、私は介護士じゃねぇんだよ』
この男、手錠で脅せば私が逆らえないと思ってるんだろうけど舐めないで欲しい。
やりたくない事はやらないが私の
「そうですか。ならば仕方ありませんね」
なんだ、随分と聞き分けが良い方じゃないか。もっと押し押しで来るかと思っていたけど……。
『……きゃぁ!?』
__すると条野はボディーソープを2プッシュ掌に乗せ、私の背中へ移動して後ろから腰に手を当ててゆっくりと撫で、その所為で甲高い声が浴室に反響した。
『ちょっと!?ゃん…ッ』
「貴女が出来ないなら、私がするしかないでしょう?」
『触らないでって、言ったじゃん…ッあ』
触らないでって警告したのに!
しかも一々触り方がヤラシイんだよ!
絶対わざとしてるだろ!
「約束をした覚えはありませんよ──。然し嫌だと言っている割に感じているのは何故です?」
『〜ッ、感じてな…ぃ!』
浴室の蒸気と轟く声が相俟って頭が熱を浴びクラクラし始めた___。
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推しの命は私の命 - …え。表現の仕方凄過ぎません?あの、なんかですね、その時の風景や音声が凄く伝わってくるというか。それに話の構成もしっかり考えられてて、気持ちが伝わってくる、良い作品だと思いました。 (8月30日 1時) (レス) @page9 id: 0046fb2d1c (このIDを非表示/違反報告)
箱 - 素敵な作品ありがとうございます (6月18日 20時) (レス) @page9 id: 4edc0c80af (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - ちょくちょく更新してほしいです (6月8日 7時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - ちょくちょく更新してほしいです (6月4日 12時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
天然石 - 更新してほしいです (5月25日 13時) (レス) id: 9e1c69280d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:つゆこ | 作成日時:2023年3月23日 16時