5.じゅんくんおかえり ページ5
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「…ょうく…。」
ん…なに?まつ、じゅん?
え…!
ガバッと起きると、目の前にはコートのままでビックリした顔のまつも、と…。
「え…今何時?」
「ん?…8時過ぎ、かな。」
うっそ!
俺、3時間近く寝てたの!?
マジか…。
呆然としてる俺に、長い腕がギュッと抱きついてきた。
「翔くん、去年の約束覚えててくれたんだね。時間割いてくれて嬉しいな。」
うっとりと抱きしめてくる腕はともかく、俺は予定狂いまくりで動揺しまくりよ?
「わり…俺、寝ちゃって。なんも用意してなくて。」
「そんなん…一緒にいてくれるだけでじゅーぶん。」
ホントに嬉しそうに髪にキスしてくるから、なんだかマジで申し訳ない気分になる。
「ちょ…待って!いいか、ここにいろよ?な!」
急いでキッチンに立って、ケーキ用の脚のついた皿と、ワイングラスを用意して。
「ね〜しょおくん?コートくらいは脱いでもいい?」
「あ、ワリ…とりあえずくつろいでて。でもこっちには来んな。」
ハイハイ…と笑って、コートを脱ぎながらベッドルームに入っていく背中を見送った。
冷蔵庫からケーキ型を取り出して…確かこのベルトみたいなのを取ると。
あ、綺麗に取れた。
で、この紙を引っ張って、慎重にケーキを皿に乗せる。
う〜わ〜。
マジで出来てる!(感動!)
ケーキナイフと真っ白な取り皿とフォーク。
白ワインはデキャンタに移して。
ダイニングテーブルにセッティング…って言っても、アイツみたいにオシャレになるはずもない。
ただ並べただけ。
やっぱりせめて花が欲しかったなぁ。
真ん中にケーキを置いて、皿と…ワイングラスにデキャンタ。
ま、いいか。
俺が出来る限界よ。
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作者名:ロッシュ | 作成日時:2019年2月14日 15時