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全てを読み終えた私は手紙を封筒に戻した。
「お嬢、」
「来年から専門学校行くんです、美容師になりたくて」
シュントさん、がこくりと俯いた。
「…手続きは済んでいます。家庭の都合上、入学を辞退させて頂く、と」
「私を殺したらこの家はどうなりますか?殺した人達には何が起きるんですか」
「潰れるか、買収されます。相手側には100億が入ります。」
「………100億、?」
ゼロが何個あるのか。
聞きなれない額にクラクラする。
「貴方は…100億の女です。」
ジュノンさん、が私の目をしっかり見つめてそう言った。
ごくり、と唾を飲んだ。
同時に、涙が溢れてきた。
「……ふつうの、女の子だったのに」
「……」
「なんなの………運命って、なんなのっ…」
布団にボタボタと涙が落ちる。
思わず顔を覆った。
_________途端、温もりを感じた。
「…独りだと思わないで、お嬢」
シュントさん、に抱きしめられていた。
抵抗する気もなく、体を預けて、泣いた。
「お嬢、シュントを覚えていませんか」
「え……?」
「ジュノンくん、覚えてるわけないから…」
シュントさん、の顔をじっと見つめる。
シュントさん、は
たじろぐ様子を見せた。
「しゅん、と」
「え?」
「久保、舜斗?」
「?!」
『名前!』
小さい頃の思い出が一気にぶわっと蘇る。
隣の家に住んでいた、舜斗。
毎日遊んでくれた、舜斗。
「…でも10歳の頃引っ越しちゃって」
「嘘だろ………」
「ごめん、思い出した……舜斗なんだね」
「…親が祖父の名前さんにお世話になって。俺も必然的に苗字組に入ることになって」
「あの頃からずっと親に言われてた。…どんな事があってもお嬢を絶対に守り抜けって」
「……!」
舜斗はあんなに小さい頃から、自分のいる世界を理解していた?
同い年のはずなのに、目の前にいる舜斗が大人に見えた。
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モルペコ - すごく面白くて、何度も読み返しています!ジュノン、かっこいいですね! (2022年11月6日 12時) (レス) @page32 id: 57b4fe7556 (このIDを非表示/違反報告)
はまみん(プロフ) - さくらこさん» さくらこさんありがとうございます♡作者自身推しはリョウキくんなのですが、こうゆう系を書くならジュノンくんが一番似合いそうだなって思って書いてます笑もっとキュンキュンしてってくださいね💖 (2022年3月11日 19時) (レス) @page27 id: ddb0c5a515 (このIDを非表示/違反報告)
さくらこ(プロフ) - すごく面白いし、キュンキュンしてます! BE:FIRSTは推しが決まらなくて、メンバー全員大好きなのですが、この作品のおかげでジュノン推しになりそうです笑 これからも、更新楽しみにしてます✨ (2022年3月9日 16時) (レス) id: afb70c7110 (このIDを非表示/違反報告)
みゆ(プロフ) - こちらこそお返事ありがとうございます💓面白くて何度も読み返してます🔥更新が楽しみです! (2022年2月9日 21時) (レス) id: 0d99950192 (このIDを非表示/違反報告)
はまみん(プロフ) - みゆさん» みゆさんありがとうございます🥲是非これからも見てくれると嬉しいです♡ (2022年2月9日 20時) (レス) id: 1fce4fe5d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はまみん | 作成日時:2022年2月6日 0時