ねえ、ジュノン。

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「セリナさ………っ」



「名前ちゃん強い、強いわ」



「強くない〜、痛たあぁ…」



「大丈夫よ、シュントなんか号泣してたんだから！」



「舜斗っぽい……」








余りの痛さに声が抑えられないし、ジュノンと同じ香りがした……なんて事はとうに忘れていた。





背中に刺青が入っている感覚がする。



何か他のことで気を紛らわせないと、痛さで気を失ってしまいそうだ。








「セリナさんは…苗字組の1人なんですか？」




「私？違うわよ、ただの彫り師」









なんなら苗字組以外の刺青だって受け持ってる、とセリナさんは言った。








「その……苗字組って、どうなんですかね」




「どう？……まあ、他の組とは明らかに違うわよね」




「浮いてるんですか？」




「浮いてる…表現の仕方が難しいわ。でも、私は祖父の名前さんの考え、1番好きだった」




「え？」




「祖父の名前さんねえ……会えるならもう1回会いたい」








背後から聞こえる、セリナさんの少し寂しそうな声。



沢山の人から慕われていたおじいちゃんはどんな人だったのだろう。







「ジュノンもレオもシュントも。ちゃんと祖父の名前さんの考えを受け継いでる。ジュノンなんか1番分かりにくいと思うけど…」








でもね、とセリナさんは話を続ける。









「名前ちゃんを護る事に誇りを持ってるわ。決してやらされている訳じゃ無い。ジュノン自らが望んでやっている事」




「え、？」




「名前ちゃん、分かりやすいのね」









クス、とセリナさんは笑った。

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