Bite 54 ページ9
*
それからは
ただ、ひたすらに
彼も私も、必死で
お互いを求め合って
雰囲気だとか場所だとか
そういうものは、何もかも
一切、関係なく
お互いの熱を、肌で伝わせ合った
剥ぐように服を脱がせながら
縺れ込むようにその場で重なり合って
何度も、何度も
幾度となく、口付けて
数え切れないほど
お互いの名前を呼んで
痕が残りそうなほど
きつく引き寄せ合った
それでも、
どれだけ肌を重ねても
どれだけ熱を帯びても
身体はまだ、彼を求めていて
それはきっと、彼も同じで
苦しそうに顔を歪めながら、
私の唇にまた落とされるキス
唇を合わせたまま、
彼は私の中で欲を吐き出して
汗で濡れた額を手の甲で拭って
また、ゆっくりと動き出す
… お互いに、何度果てても
どれだけ息が切れても
彼も、私も
その行為をやめようとはしなかった
熱の篭るその部屋
徐々に暗闇に飲まれる空間
カーテンの隙間から溢れる月明かり
… これが、初めてではないのに
彼をこんなにも近くに感じたのは、初めてで
暗がりに浮かぶ、その姿に
また、ぎゅっと胸が締め付けられた
「っ…… 、A、… 」
切れた息の隙間で
私の名前を象って消えた、脆い声
それに応えるように、
彼の頬に手を添えれば
その手に、彼も自分の手を重ねて
さらに深く、私の中に沈み込む
私を包む、その傷付いた腕も
汗で湿った、その黒髪も
吐き出される、熱い吐息も
何もかもが、新しくて
何もかも、愛おしかった
歯を立てる代わりに
優しく素肌に落とされる無数のキス
そしてまた、
彼が腰の律動を速めれば
息が切れた喉が痛んで
目の裏が白く染まり出す
迫り来る感覚に、
目を閉じようとした瞬間
彼は私の耳に、唇を寄せて
そっと小さく、呟いた
私が意識を手放す直前
私の瞳に、最後に映った彼は
微笑んでいたような、そんな気がした
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Agust d(プロフ) - 夢主がナムジュンさんにプロポーズされたときの気持ちがすごく伝わりました。 ナムジュンさんがいい人すぎて余計に辛さを感じました これからも応援しています♪ (2019年10月14日 22時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま((くん))#チングさがし#元パク・モモ - 涙が止まりません……泣 心がギューって締め付けられるようです笑。素敵なお話でした!!!もうグクは帰ってこないのかと思いましたが、主人公と幸せになっている姿が見えます!!番外編とか見たいなー(小声)改めて、素敵なお話をありがとうございました! (2018年2月2日 9時) (レス) id: 2612f635ae (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ジョングクが初めて過去を話し、愛を伝えた瞬間に涙が溢れました。孤独しか知らないジョングクと優しく見守る主人公の今までにない新鮮な物語にとても魅了されました。ジョングクの読者の知らない空白の3年間が気になりすぎて仕方がないです(笑)本当に感動しました。 (2016年12月28日 16時) (レス) id: 8614be4ddf (このIDを非表示/違反報告)
Jk - ええええええ。。。。終わっちゃったよ… 番外編とかみたかったです!!!グクが主人公に愛してるって言った瞬間もう本当に号泣しました。泣き声がうるさく妹に怒られるぐらい泣きましたね。本当にグクがやっと思いを伝えてもう完膚なき幸せです! (2016年12月23日 20時) (レス) id: 23efb5129a (このIDを非表示/違反報告)
ソジン(プロフ) - 主人公とグクが再会したシーンで涙が止まらなくなったのは私だけじゃないはず。すべて読ませていただきました!こんな素晴らしい作品を書いてくださった作者さんほんとにありがとうございます!これからも更新頑張ってください!!(*´ ˘ `*) (2016年6月20日 21時) (レス) id: e77b47a418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠良 | 作成日時:2016年2月11日 0時