Bite 63 ページ18
*
重い扉を開き、廊下に出て
辺りを見回しながら、当てもなく歩き出す
先ほどと同じ焦燥感からか、
自然と足取りは速くなり
久々に履く踵の高いヒールの鳴らす音が、徐々に間隔を狭めていく
階段を登って
角を曲がって
出口まで見るけれど
その姿は、見つからない
… 一体、どこ?
どこにいるの、
「ジョングク… 、」
ふと、小さな声で
彼の名前を呟いた、その瞬間
ぱっと私の手を掴んだ、少し冷たい掌
突然の感覚に、驚いて振り返ろうとすれば
私がそちらに視線を向ける間もなく、
そのままその腕をぐいっと後ろに引かれる
「わっ… 、」
その強い引力のせいで
高いヒールが縺れ、バランスを崩して
重力に抵抗し切れず、よろける私の身体は
その次の瞬間には
仄かに熱を帯びた、
大きな身体に包まれていた
.
顔を押し当てた黒いスーツからする、
あまり嗅ぎ慣れない、香水の匂い
抱きしめられているせいで
顔を確かめることは出来ない
… なのに、
その胸から伝わる、少し速まった鼓動
髪を梳く、わずかな指の感覚
私の服をきつく握りしめる、その掌の力
ただ、それだけで
身体はその熱を憶えていたかのように、その存在を受け入れていく
首元にかかる、吐き出された熱い吐息
耳の掠めたその息と共に、
あの赤い唇から零れた声に
またぎゅっと、
胸が苦しくなった
.
「A………… 、」
.
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Agust d(プロフ) - 夢主がナムジュンさんにプロポーズされたときの気持ちがすごく伝わりました。 ナムジュンさんがいい人すぎて余計に辛さを感じました これからも応援しています♪ (2019年10月14日 22時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま((くん))#チングさがし#元パク・モモ - 涙が止まりません……泣 心がギューって締め付けられるようです笑。素敵なお話でした!!!もうグクは帰ってこないのかと思いましたが、主人公と幸せになっている姿が見えます!!番外編とか見たいなー(小声)改めて、素敵なお話をありがとうございました! (2018年2月2日 9時) (レス) id: 2612f635ae (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ジョングクが初めて過去を話し、愛を伝えた瞬間に涙が溢れました。孤独しか知らないジョングクと優しく見守る主人公の今までにない新鮮な物語にとても魅了されました。ジョングクの読者の知らない空白の3年間が気になりすぎて仕方がないです(笑)本当に感動しました。 (2016年12月28日 16時) (レス) id: 8614be4ddf (このIDを非表示/違反報告)
Jk - ええええええ。。。。終わっちゃったよ… 番外編とかみたかったです!!!グクが主人公に愛してるって言った瞬間もう本当に号泣しました。泣き声がうるさく妹に怒られるぐらい泣きましたね。本当にグクがやっと思いを伝えてもう完膚なき幸せです! (2016年12月23日 20時) (レス) id: 23efb5129a (このIDを非表示/違反報告)
ソジン(プロフ) - 主人公とグクが再会したシーンで涙が止まらなくなったのは私だけじゃないはず。すべて読ませていただきました!こんな素晴らしい作品を書いてくださった作者さんほんとにありがとうございます!これからも更新頑張ってください!!(*´ ˘ `*) (2016年6月20日 21時) (レス) id: e77b47a418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠良 | 作成日時:2016年2月11日 0時