Bite 59 ページ14
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実際、時間が経てば経つほど
私の記憶の中だけに残る"彼"の影は、徐々に薄れていった
2年も経てば、もう
彼の実在に対する執着心は、ほとんど薄れていて
このまま忘れられると、そう、信じていた
… けれど
その考えが打ち砕かれたのは、
1年前のことだった
*
『… 結婚しないか、俺ら』
新しく住み始めた、アパートの一室
以前とは全く間取りの異なる部屋
穏やかな空気が満たすその空間で
ナムジュンは不意に、そう言った
彼らしくない、ストレートな言葉と
そのあまりにも唐突な発言に
私は思わず、固まってしまったのだけれど
… 率直に、嬉しかった
ナムジュンはいつでも、私に寄り添って
何もかも全て受け止めて、包み込んでくれる
このまま彼と一緒にいれば
確実に、幸せになれる
そう、分かっていた
… けれど
なぜかその瞬間に
ふと瞼の裏に浮かんだのは
孤独に怯えた、あの漆黒の瞳で
耳の奥に響いたのは、
最後に聴いた、
息の切れた、掠れた声
それまで記憶の奥底に沈んでいたはずの、彼の欠片
それらが、なぜか一瞬で鮮明に思い出されて
同意を示すために用意した言葉は全て
喉を滑り落ちるように、身体の中に溶けてしまった
そのまま黙り込んだ私に
ナムジュンは、曖昧に微笑んで
『… 気、早すぎたな』
そう言って、
軽く私を抱き寄せてくれたのだけれど
その日を境に
私たちの関係には、少しずつヒビが入って
結局、数ヶ月前
また、別れを告げた身勝手な私を
ナムジュンは引き留めることもせず、頷いて
私たちはまた、恋人であることをやめてしまったのだった
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Agust d(プロフ) - 夢主がナムジュンさんにプロポーズされたときの気持ちがすごく伝わりました。 ナムジュンさんがいい人すぎて余計に辛さを感じました これからも応援しています♪ (2019年10月14日 22時) (レス) id: fea73733b9 (このIDを非表示/違反報告)
かにかま((くん))#チングさがし#元パク・モモ - 涙が止まりません……泣 心がギューって締め付けられるようです笑。素敵なお話でした!!!もうグクは帰ってこないのかと思いましたが、主人公と幸せになっている姿が見えます!!番外編とか見たいなー(小声)改めて、素敵なお話をありがとうございました! (2018年2月2日 9時) (レス) id: 2612f635ae (このIDを非表示/違反報告)
はる(プロフ) - ジョングクが初めて過去を話し、愛を伝えた瞬間に涙が溢れました。孤独しか知らないジョングクと優しく見守る主人公の今までにない新鮮な物語にとても魅了されました。ジョングクの読者の知らない空白の3年間が気になりすぎて仕方がないです(笑)本当に感動しました。 (2016年12月28日 16時) (レス) id: 8614be4ddf (このIDを非表示/違反報告)
Jk - ええええええ。。。。終わっちゃったよ… 番外編とかみたかったです!!!グクが主人公に愛してるって言った瞬間もう本当に号泣しました。泣き声がうるさく妹に怒られるぐらい泣きましたね。本当にグクがやっと思いを伝えてもう完膚なき幸せです! (2016年12月23日 20時) (レス) id: 23efb5129a (このIDを非表示/違反報告)
ソジン(プロフ) - 主人公とグクが再会したシーンで涙が止まらなくなったのは私だけじゃないはず。すべて読ませていただきました!こんな素晴らしい作品を書いてくださった作者さんほんとにありがとうございます!これからも更新頑張ってください!!(*´ ˘ `*) (2016年6月20日 21時) (レス) id: e77b47a418 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:瑠良 | 作成日時:2016年2月11日 0時