13. ページ13
「あ……」
俺としたことがテンションが上がりすぎて「断られる可能性」というものを考える頭がまったくなかった。
舞い上がっていた心が一気に叩き落とされたような気分になって、気まずさと恥ずかしさで俯いたまま顔が上げられない。
何か言わなくてはと思いつつ、頭が真っ白というか思考が停止していたというか…時間にして数秒の沈黙だったとは思うけどものすごく長く感じた。でも、その沈黙を破ったのはAさんだった。
「“お礼”ということなら行けません。
ただ…お礼とか関係なく楽しく食事をするというのなら喜んで」
「ですよね。すみませんでし……ん？？」
(喜んで？今、そう言った？)
ガバッと顔を上げると、それに驚いたのかAさんが小さな声で「わっ」って言うのが聞こえた。
「え…？いいんですか？」
「え？はい。…あ、もしかして社交辞令でした？」
「ち、ちがいます！社交辞令なんかじゃないです！」
慌てて否定すると
「よかった。私、社交辞令なのに食いついちゃった人になったかと思いました(笑)」
って、笑ってくれた。
俺に向けてくれた笑顔に胸を撫で下ろしていると、Aさんが申し訳なさそうに口を開いた。
「…あの、急ぎの仕事はないんですが、給湯室からそのまま来てしまったので、そろそろ戻らないと…」
「あ！そうですよね。気づかなくてすみません！今日はありがとうございました。食事の件、後日連絡しますね！」
ペコリと頭を下げて会社に戻るべく歩き出した。
(良かった。断られたんじゃなくて…)
ニヤけてしまいそうになるのを必死でこらえた。信号待ちで止まったときに店をいくつかピックアップしようとスマホを取り出したときにAさんの連絡先を聞くのを忘れたことに気がついた。
(しまった…。智くんにお願いするしかないか…)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 373人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「嵐」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
じゅな(プロフ) - ぷうさん» ぷうちゃーん！ありがとぉー(*´▽`人)途中で翔潤に力を入れてしまったからね（笑）完結までに時間がめっちゃかかったけど、最後までお付き合いありがとう(´∀｀) (2019年3月23日 11時) (
レス) id: 6dfce8ad67 (このIDを非表示/違反報告)
ぷう(プロフ) - じゅなちゃん完結お疲れ様でした！ありがとう(*´ω｀*)翔さんといちゃいちゃはもちろん、潤くんとのやり取りも楽しかったなー( ´艸｀)忙しい中ありがとねー！！ (2019年3月23日 7時) (レス) id: bd0b732739 (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - めぐぽん(*´･∀･)さん» わー！来てくれたのね！ありがとう(*´ｰ`*)ニヤニヤむふむふをご提供できて良かった！！旅行は脳内で…(；´∀｀) (2019年3月6日 5時) (レス) id: 6dfce8ad67 (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - yumichinさん» ありがとうだよぅ！！あたいのお話が好きだなんて…マニアックだぞ☆旅行編は…想像におまかせスタイルです(；´∀｀) (2019年3月6日 5時) (レス) id: 6dfce8ad67 (このIDを非表示/違反報告)
じゅな(プロフ) - ともさん» ありがとー！！温泉イチャコラはご想像におまかせします(´∀｀*)ｳﾌﾌ（←得意の丸投げスタイル） (2019年3月6日 5時) (レス) id: 6dfce8ad67 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：じゅな | 作成日時：2017年11月8日 6時
