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さすがに永倉さんは出来ないから、
天霧君が脇に抱えて運んでいった。
あの姿は、
ちょっとだけ情けないかも…。
A「姉様は土方さんに預けます。
幸せにしたいなら傍に置いて、守り切ってください」
土方「……仕方ねえな、俺も男だ。
覚悟を決めてやるよ」
A「よしっ!」
姉様は瞳を潤ませながら、
嬉しそうに笑った。
笑ってさえいてくれれば、私はそれでいいんだ。
髪に結んでいた結い紐を解き、
懐から小瓶を取り出す。
そしてそれを、姉様に差し出した。
千鶴「これ…」
A「姉様の変若水は無くなっちゃったでしょ?
だから、持ってって。
結い紐は、大事な勾玉が付いてるから、
必ず返しに来てね」
千鶴「でもっ!」
A「お守りだよ。小通連と一緒。
きっと、姉様を守ってくれるから」
千鶴「……ありがとう。絶対に返すから!」
私の手から二つの物を受け取れば、
姉様は大事そうに胸に抱いた。
チラッと斎藤さんを見れば、
悩む様子もない。
きっとこのまま土方さんに付いて行くんだろう。
A「では、私は行きます。
斎藤さんも、後悔をしない選択を…」
斎藤「俺はあんたと共に行く。
傍に置いて、幸せにしたいからな」
土方「お前…。そうか、良かったじゃねえか」
斎藤「副長、俺はAと共に待ちます。
どうか、ご無事で」
土方「おう。お前らもな」
A「皆さん、ご武運を!
そして、またお会いしましょう」
斎藤さんと一緒に船の淵から、
ちー君たちがいる岸に向かって飛んだ。
斎藤さんが残ってくれるとは思っておらず、
私の頬は自然と緩む。
ストンッと岸に降り立つと、
そこには真っ白い髪と角を生やした鬼が4人。
それに鬼化した原田さんと、
たった一人の人間である永倉さん。
ここにはいないけど、
沖田さんや平助君。山崎さんに島田さん。
それに山南さんに土方さん。
そして、斎藤さんが…。
大丈夫。
私には仲間がいる。
人を思いやられる仲間が…。
A「一気に片付けよう!」
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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
朔(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時