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そう思っていたのだけど…。

山を抜け、
森の中を歩き出して少しした頃だった。

よく見知った人が地面に座り込んでいる。




A「あれ?姉様?」




見知った人とは姉様だ。

声を掛ければ、
姉様はゆっくりとこちらを振り向く。


え?何で泣いてるの?
っていうか、何で一人でいるの?


疑問ばかりが巡った。




千鶴「A…」

A「ど、どうしたの?
何があったの?!」




座り込んでいた姉様は、
立ち上がったかと思うと飛びついて来た。

その反動で地面へと倒れこむ。

倒れこむっていうより、
姉様に押し倒されたが正確かも。

姉様の飛び込む勢いが良かったから、
地面に思いっきり背中をぶつけて痛かった。

だがそれを咎めるほど、
私は鬼畜ではない。


私に抱き着きながら、姉様は咽び泣いた。




千鶴「ここに、残れって…。
もう、付いてくるな、って…っ!」




たどたどしくも紡がれる言葉に目を見開いた。

土方さんは姉様を突き放したんだ。

姉様がどれだけ食い下がっても、
私や行動を理由にしても、
土方さんの意思が動く事はなかったそうだ。




千鶴「私を、幸せにすることが、出来ないって…っ」




それは、どういう意味だろう?

土方さんは姉様を、
少なからず幸せにしようと思ってくれていたのだろうか。

もしかして、土方さんは姉様を…?

それならそれでいい。
ならば何故、姉様を手放したのか。

どうして勝手に
自分では幸せに出来ないと決めつけるのか。


そう考えだしたら怒りが沸いてきた。




天霧「A。
気持ちは分かりますが、感情が表情に出すぎです」

A「……出したつもりはないもん」




見下ろしている天霧君たちから目線を反らし、
とりあえず起き上がろうと上半身を動かした。

その動きに姉様も体を浮かす。

けれど、私の上から退く気はなさそうだった。

姉様の意思を尊重して、
土方さんに付いて行かせた。

土方さんなら姉様を守ってくれるって思ったから、
だから信じて行かせたんだ。

****→←136:仙台入り



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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