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肩に置かれていた頭が少し動き、
私を見つめる視線が
視界の端に映る。

それが恥ずかしくて、
視界の端に映らないよう視線を反らした。




A「……いつまで、
続いてくれるのかなぁ、って思っただけです」

斎藤「何がだ」

A「今この時が幸せすぎて、
終わりがこなけr場いいのにな、と…」




思うより口にする方が遥かに恥ずかしい。

きっと今の私は、顔が真っ赤だろう。


だって、顔が熱いもん。




斎藤「俺が心変わりするとでも?」

A「そういう事ではなく…。
こんな世の中ですから」

斎藤「……こんな世の中だからこそ、
俺はあんたから離れはしない。
以前の俺なら、
戦いの中で死ぬ事を当たり前だと思っていただろう。
だが、今は死ぬのが惜しい。
寧ろ、あんたと共に生きたいと思っている」

A「……生きたいと
思っていただけたなら、良かったです」




斎藤さんの口から
"生きたい"
という言葉が聞ける日が来るとは…。

以前の斎藤さんなら、
剣に生き剣に死ぬと言っていただろう。

彼の人生は、それで完結していたのだ。

だけどその人生に私という存在を置いてくれるなら、
それが幸せだ。

この時間がもし無くなってしまったとしても、
彼の中で生き続ける事が出来る。


それで、いいのかもしれない。




斎藤「何故、笑う」

A「嬉しいなって」

斎藤「……そうか。それならば、
あんたは俺の隣でずっと笑っていてくれ」

A「ずっと、隣に置いてくれるんですか?」

斎藤「離さぬと言ったはずだ」




悪戯っぽく言ったつもりなんだけど、
そんな真剣に返されるなんて…。

驚いて斎藤さんの方へ顔を向ければ、
言葉の真剣さと同じように、
斎藤さんの表情も真剣だった。


あれ?
こういう悪戯は駄目だったかな…?


何だかその視線を向けられているのが恥ずかしくなり、
目を反らそうとしたのだけれど…。

手を引かれたかと思うと、
ほぼ横抱きの状態の体勢へ変えられたうえに、
後頭部に手を置かれて背ける事が出来ない。

優しく、でも強く手を握られ、
ゆっくりと近づいてくる端正な顔。

そして…、ほんの少しだけ唇が触れ合った。




斎藤「一生あんたを離さぬ故、覚悟しておけ」

A「……はい」




私の返事を聞くと、
斎藤さんは満足そうな表情を浮かべた後、
今度は深く長い口づけ。

ここが縁側だっていう事すら忘れてしまっている程、
完全に私たち二人だけの世界だった。

136:仙台入り→←****



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 何度も読み返して読んでます。斎藤さんとの恋仲で幸せです。涙が流れてます。 (2020年5月26日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 朔さん» コメント&一気読みありがとうございます!風間の言葉遣いがなかなかに難しく、上手く表現出来ているのか不安でしたが、可愛いと言ってもらえてうれしいです♪なかなかに私の妄想が激しいものになってしまいますが、これからもよろしくお願いします(*´ω`*) (2019年10月4日 9時) (レス) id: 92dfc97012 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - コメン失礼します!今日この作品を見つけて一気読みしてしまいました!!悲劇が無くて風間がかわいくて()大好きです!!!最近は薄桜鬼の小説を書いてる方も少ないので...(>_<)応援しています(^^ゞがんばってください!!長文失礼いたしましたm(__)m (2019年10月4日 2時) (レス) id: af48bb8f49 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年10月2日 16時

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