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鬼1「A様!
人にも、面白い者がいるのですね!」

鬼2「この兄ちゃんたちは良い奴らだ!」

A「そうですよ。人もそれぞれです。
仲良くしてあげてくださいね!」

鬼1「もちろんですよ!
少し、人間を見る目が変わりそうです」

原田「それは、こっちの台詞だぜ」




原田さんたちに手を振り、その場を後にする。

鬼たちが"人"というものを
分かってくれる事はすごく嬉しい。

でも近藤さんたちも人なんだけどな…。

あの職人さんたちは
あまり関わらなかったんだろうか…。




斎藤「あんたは慕われているのだな」

A「そうですか?
父様はもっと慕われていましたよ」




村の端まで来て、そこで端を止めた。

そして振り返って村を見回す。




A「父様は、いつでも鬼たちの事を考え、
鬼たちがいかに平穏に、
幸せに暮らせるのかばかりを考えていました。
その為なら父様は、
どんな嫌な仕事も、付き合いもしていましたね。
全ては東国の鬼の為。
私たちには厳しくて、でも優しくて…。
いつでも私たちの為にと躾けてくれました」

斎藤「まるで、副長のような方だな」

A「確かに、土方さんのような方でしたね。
私は、父様のような鬼になるのが目標です」

斎藤「あんたは大丈夫だろう」

A「……斎藤さんに言われると、
本当に大丈夫なんだろうなって
思えてしまうのが不思議ですね」




その会話を最後に沈黙が流れ、
村に響き渡る作業の音を聞いていた。


こんな沈黙でも、
斎藤さんとなら苦じゃないんだよね。

逆に心地いい時がある。

前は沈黙って苦手だったのにな…。




A「そろそろ、皆さんの所へ行きましょうか」

斎藤「……そうだな。
暗くなる前に、隊士たちの所へ戻らねばな」




皆さんと合流し、
村の入り口まで戻ってきた。

ほろ酔いの三人は、やけに上機嫌。




近藤「トシたちと同じ戦場には立てないが、
それでも俺はここで、お前たちの健闘を祈ってるぞ」

土方「あんたが無事だと分かっただけでも、
俺たちの戦う道しるべになる。
必ずまた会いに来る。
それまで、元気にやっててくれよ」

鬼1「次にA様が帰って来た時には、
もっと出来上がっているようにしておきますね」

鬼2「A様の要望、絶対に形にしてみせます!」

A「はい。楽しみにしています。
でも、あまり気張りすぎないようにしてくださいね」




そして村を後にした。

この日の夜。
私たちはまた、
分かれ道へ立たされる事になる。

124:二つの新選組→←123:鬼と人



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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

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