１２０：会わせたい人 ページ38
蔵の近くで歩を止め、
後ろを歩いていた皆さんに視線を向ける。
A「ちょっと待っていてくださいね」
その言葉に皆さんは顔を見合わせて首を傾げる。
だけど全員が小さく頷いて了承してくれた。
笑顔で蔵に向かって駆け出し、
開いている扉から声を掛ける。
A「すみませーん！いらっしゃいますかー？」
？？「おや？この声は…」
？？「誰か来たようだな」
A「出て来てもらってもいいですかー？」
？？「今行くよ。
ちょっと待っててくれるかな」
そう返事が聞こえ、
私は土方さんたちの所へ戻った。
何も言わない私に、
土方さんは怪訝そうな顔で見て来る。
そんな顔で見られると、怖いんですけど…。
土方「誰がいるってんだ」
A「もうすぐ出てきますから、
そんな怖い顔で見ないでください」
原田「土方さん、Aがそう言ってんだ。
あんま睨んでやるなよ」
土方「睨んでなんかいねえよ！」
A「睨まれてるようにしか見えません」
クスクスと笑うと、
土方さんの眉間には余計に皺が寄った。
その眉間の皺、
指で伸ばせるなら伸ばしてあげたい。
絶対に怒られるからやらないけど。
少しすると、蔵の中から二人の人物が出てきた。
その姿を目にした皆さんは、
目を見開いて驚いていた。
土方「！！？」
千鶴「な、何で…っ！？」
？？「おお！トシ、来たのか」
？？「おやおや、驚いているようだね」
斎藤「どう、いう事だ…」
藤堂「近藤さん！源さん！」
ニコニコと笑う私の目に映ったのは、
鬼の目にも涙だ。
嬉しさと驚きの涙かな？
まさか土方さんが、
涙を浮かべるとは予想外だったな。
私が会わせたかった人。
そう、それは流山で死んだはずの近藤さんと井上さん。
皆さんが一斉に近藤さんたちに駆け寄る。
だけど沖田さんだけは、
私の隣で立ち尽くしていた。
訳が分からないと言いたそうな沖田さんに笑いかける。
沖田「Aちゃん、これは…」
A「まあまあ、まずは再会を喜びましょう？」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 55人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほろ | 作成日時：2019年9月26日 17時
