検索窓
今日:6 hit、昨日:9 hit、合計:71,018 hit

**** ページ37

藤堂「Aは人望があるんだな…」

原田「あいつの性格だからな」

土方「総司、お前もAを見習え」

沖田「何で僕なんですか」

永倉「だけどよ、
ここにいる奴らって、全部鬼なんだよな…」

斎藤「人がいるとは思えぬからな」




そんな会話が後ろから聞こえ、
笑わずにはいられなかった。

人望があるかどうかは分からない。

だけど、この関係を築いてくれたのは父様、
それとちー君だ。

見た事がない人たちは、きっと西国の鬼たち。
ちー君が連れて来てくれた人たちだと思う。


すると、鬼に囲まれる私の所へ、
一人の鬼が寄ってきた。




A「浅見様!」

浅見「A様、お久しぶりでございます。
お元気そうで何よりです」

A「浅見様こそ!シゲはお元気ですか?」

浅見「ええ。今日は来ておりませんが、
シゲも手伝ってくれていますよ」




浅見様は、鬼の中で行商を担う一族。

この一族がいなければ、
鬼たちの生活は成り立たない。

襲名の時の衣装や
小物などの用意をしてくれたのも、この浅見様だ。




A「浅見様、あの方に会いに来たんですが、
何処にいらっしゃいますか?」

浅見「……ああ!あの方なら、
蔵で書物の整理をしているはずですよ」

A「ありがとうございます!」




振り返り皆さんに

「行きましょうか」

と言うと、全員が不思議そうな顔をしていた。

それでも笑顔を絶やさず、
職人さんたちにお辞儀をするとスタスタと歩き出す。

チラッと後ろを見れば、
まだ不思議そうな顔をしながらも付いて来てくれる。

少し歩くと見えて来る、
私たちの生家だった場所…。




不知「本家はまだ土台しか出来てねえな」

A「そこは最後でいいんだよ」




私たちの生家だった場所は、
まだ土台しか出来てなくて、
でも真っ黒い炭は何処にもなかった。

生まれ育った場所が無くなってしまったのは寂しいけれど、
それでも新しく建てられようとしている形跡が、
私の心を明るくさせる。




A「ここには、私の願望があるから」

不知「願望?何だそりゃ」

A「いいの!出来てからのお楽しみだよ」




生家の近く。
蔵といえば時實の蔵しかない。

あの隠し部屋があった蔵だ。


もうその蔵の持ち主だった時實はいないけれど、
そこは大切な場所だったから、
一番最初に直してもらったんだ。

真っ白い壁に黒い屋根。


この蔵だけは、
昔と変わらない外見でとお願いしたのは正解だったかな。

120:会わせたい人→←119:復興の村



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.5/10 (21 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
55人がお気に入り
設定タグ:薄桜鬼 ,
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

斎藤ようこちゃん(プロフ) - 素敵だよ。涙が流れます (2020年5月24日 23時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月26日 17時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。