【薄桜鬼】純血を巡る者５ (ページ6)

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井上「私も皆も、
最初から君を疑ってなどいないよ。
……だが、そう言った所で、
世間が信じてくれるかどうか…。
こんなうわさが流れる所を見ると、
先方も、犯人を絞り切れずにいるんだろうし。
紀州藩の三浦休太郎が、
新選組に依頼して暗殺したなんて話もあったよ」

さっきもその人の名前が出てきたな…。
どんな人なんだろう？

でも、その三浦さんって人も、
坂本さんといざこざがあって、
犯人と疑われてる一人なんだろうな。

永倉「新選組の仕業って事にしてえ奴もいるだろうしな。
俺たちが何も聞かされてねえ以上、
新選組が手を下したってことはねえよ」

土方「お前ら。やっぱりここにいやがったか」

原田「土方さん。どうしたんだ？」

土方「これから話がある。広間に来い。
ああ、Aはそのまま部屋に戻って休め。
傷に触るからな」

A「えぇ！？」

土方「ええ！？じゃねえ！早く治しやがれ！」

A「はぁい…」

皆さんは「また来るからな」とか、
何かしら言葉を掛けてから去って行った。

遠ざかる足音を聞きながら、縁側に座ったまま、
見えない空を見上げる。

もう。
ちょっと動くぐらい大丈夫なのに…。

土方さんは本当に過保護な人だ。

でも優しさを含んでいるのが分かるから、
思わず笑ってしまうんだ。