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77:揺れる心と別れ ページ31

羅刹の襲撃から
一夜明けた今日。

私は、ほとんどの家事に力が入っていなかった。

それは昨夜の羅刹が原因。

昨夜の羅刹は、
きっと私の血を口にして正気に戻った。

それ以外に理由が見つからない。

だとすれば私は、私たち鬼は、
本当に人と関わりを持っていいのだろうか…。


新選組にまがい物の研究を要請したのは幕府。
もしその幕府が、今回の事を知ったら…?

きっと私は、鬼は実験台にされてしまう。
それだけは何が何でも避けなければいけない。

私だけならまだいい。
鬼の種族が標的になってはいけない。


空を仰ぎ、今は亡き人に問いかける。




A「どうしたら、いいのかな…?父様…」




父様の意思は継ぎたい。
父様の心残りは果たしたい。

あの文には見極める目を養えと書いてあった。

でも人にとって幕府は頂点だ。
もし幕府の要請だったら、
人たちは鬼を追い立てるのではないだろうか…?


もしかしたら、新選組だって…。


いや、それはない。
それはないって…、信じたい…。




千鶴「A…、どうしよう…」

A「姉様、どうしたの?」

千鶴「平助君と斎藤さんが…」




縁側で思考を巡らせていれば、
姉様が肩を落として二人の名前を出した。

言い辛いのか、その先の言葉が紡がれない。


平助君と斎藤さんが、どうしたんだろう…?
二人の名前が連なるなんて珍しいな…。




A「二人が、どうしたの?」

千鶴「伊東さんに、付いて行くって…」

A「ちょ、ま、待って!
言ってる意味が分からないんだけど!?」




詳しく話を聞けば、
昨夜の出来事で伊東さんが離隊すると言い出したそうだ。

隊を割る時に伊東さんは
新選組の隊士を引き抜いて連れて行くらしい。


その中に平助君と斎藤さんが入っている。


もう頭が爆発しそうだった。
考える事が多すぎる。

だけど、私はいてもたってもいられなくなった。




千鶴「A!」




縁側から立ち上がり、屯所中を走り回った。

だけど何処を回っても見つからない。


何処…、何処ですか…?

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - 涙が…溢れて止まりません。 (2020年5月24日 15時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年9月12日 14時

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