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13:真実の予兆 ページ31

土方「くそっ!」

永倉「土方さんよぉ。
この舞台の指揮権、
今だけ俺が借りておくぜ。行くぞ!」




永倉さんは他の隊士さんたちを引き連れ、
私たちの隣をすり抜けて走って行った。




土方「千鶴、お前も新八に…」

千鶴「行きません!Aが戦っているのに、
私だけ行くなんて出来ません!」




残らないでよ…、永倉さんと行って…。
お願いだよ…、姉様!




A「行って!
姉様、永倉さんと一緒に!」

千鶴「でも、Aが…」

風間「A、だと…?
おまえがAではないのか?」

千鶴「え?私はAの双子の姉で…」




何で、話をしちゃうかな…?

守ろうとした物を、
何でそうも簡単に打ち砕いてくれるのかな…?


ちー君の刀に入る力が弱まった瞬間に、
払いのけるように刀を振った。

そして、顔を覆っている布を
下にずらして顔を出す。




A「ちー君。私がAだよ」

風間「……ここで、何をしている!
まさか、お前っ!」

A「ちー君こし、ここで何をしてるの?
何で皆さんの邪魔をするの?」

風間「邪魔だと?邪魔をしているのはどっちだ!
それに、雪村家の鬼であるお前が…」

A「やめて!言わないで!
お願いだよ、ちー君…」




それ以上、"鬼"って言わないで。
姉様の前で、姉様に気付かせないでよ…。


だけど、この願いは虚しく散ってしまう。




千鶴「A…。鬼って、何…?」




聞いてない振りでもいいからしてよ…。
"何?"って聞かないでよ…。


私の中に、"絶望"の二文字が圧し掛かった。




天霧「風間、そこまでです。
Aが困っているではないですか」

風間「………何か事情があるようだな。
A、今日の所は引いてやる。
だが、近いうちに会いに行く。待っていろ」




ちー君は刀を鞘に戻して天霧君と一緒に、
風のように去ってしまった。

怪我人を出さずに済んだ事は良かったと思う。
だけど、姉様が鬼という言葉を知ってしまった。


父様、母様。
私は、どうすればいいのですか…?




千鶴「A…。ねえ、鬼って何…?
鬼って何なの?!」

土方「千鶴、それは後にしろ。
今は新八たちを追うのが先だ。
A、お前は斎藤の所へ戻れ。話は後で聞く」

A「はい…」




血も止まった。
傷ももうない。

なのに物凄く…、心が痛い…。

土方さんは浅葱色の羽織を私の背中に掛けて、
姉様を連れて横をすり抜けるように
走って行った。

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斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます!これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは!レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです!コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まほろ | 作成日時:2019年8月27日 9時

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