【薄桜鬼】純血を巡る者 １

９：混血 ページ23

帰りの道中はまるで、
玩具を買ってもらった
子供のような気持ちになった。


姉様、喜んでくれるかな？
喜んでくれるといいな。


小間物屋さんを出て少し歩くと、
土方さんがお団子屋さんにも寄ってくれる。

屯所でも皆が巡察に行ったついでにと、
お団子やお饅頭を買ってきてはくれるのだが、
京に来てからお店で
お団子を食べるのは初めてだ。

店先の椅子に土方さんと斎藤さんに挟まれて座り、
お団子を頬張る。


外で食べるお団子も美味しいな。


ニコニコと上機嫌で食べている時に、
一人の女性が目に入った。

あれは…。




斎藤「どうした？」




私の動きが止まった事に気づいたのか、
斎藤さんが声を掛けてくる。
お団子が喉を通るまでは喋らず、
モグモグと食べてから理由を話した。




A「あの女の人、混血ですね」

土方「混血？」




そっか、
混血って言ったって分かる訳ないんだ。




A「鬼と人間との間に産まれた子です」




物凄く短い説明だったけれど、
それでも二人は理解してくれた。

ちょっと冷や汗が流れてるような気がするけど、
やっぱり鬼って怖いのかな？




A「心配はいりません。
混血の子は、自分の親が鬼だって知りませんから」




すると、二人の表情が一気に和らぐ。
やっぱり、鬼って聞いて驚いたんだ。

混血は確かに普通の人間とは違う。
だけど、自分が混血だって知らないからこそ
害はない。

私はまたお団子を頬張り、
全て食べ終わったのを見計らって
土方さんは席を立った。

それから斎藤さんが刀剣商に寄ったり、
土方さんが紙屋に寄ったりとしながら
屯所へと戻った。

楽しい時間だったな。
また、連れてってくれると嬉しいな…。

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