＊＊＊＊ ページ14
だが、その言葉を
覚悟を否定する声も聞こえる。
土方「そんな事、信用できるわけねえだろ！」
山南「信用できなくても、
私は藁にも縋りたいのです！」
A「あなたが
変若水を飲む覚悟が出来ているなら、
これから行う事に物怖じしないと言えますか？」
山南「どんな事でも受け入れます」
A「飲む事もできますか？」
山南「もちろんです」
答えを聞いてから一つ頷き、
自分の腰に佩刀している刀の柄を握り
鞘から抜いた。
その行動に広間にいるお兄さんたちは
臨戦態勢に入る。
大丈夫。
あなたたちを傷つけたりはしない。
そして、自分の左袖を捲り腕を出す。
そこに刀を宛がって、山南さんに言った。
A「少しだけ、口を開いてください」
山南さんは私の言葉を素直に受け入れ、
少しだけ口を開いてくれる。
その行動が確認できた瞬間に、
私は刀を思いっきり引いた。
土方「おいっ！」
いくら鬼でも痛覚はある。
自分で斬ったんだけど、そこが痛い。
自ら切った腕を山南さんの口に押し付ける。
A「すすって飲み込んでください」
目を見開いて驚いてはいたけれど、
山南さんはこれまた素直にすすってくれた。
チクチクする痛みが走る。
山南さんの喉から
ゴクリと飲み込む音が聞こえ、
それを合図に山南さんの口から腕を外した。
山南「ごほっ、ごほ…っ」
きっと、血特有の味と
ドロリとした液体が気持ち悪かったのだろう。
A「どうですか？」
山南さんは左手を
開いたり閉じたりして確認している。
山南「不思議ですね…。
左手が思うように動きますし、
痺れも無くなりました」
A「良かったです。
まだ完全に効いているわけではありませんが、
明日の朝には綺麗に治っているはずです。
今日はこのまま
お休みになられた方が良いかと存じます」
山南さんは「すみません」
と言いながら立ち上がり、広間を出て行った。
私はほっとし、抜いていた刀を鞘へ戻す。
これで、まがい物を使う事は
なくなった、かな…？
土方「何しやがった」
鞘に収めるのを待って、
土方さんが声を掛けてきた。
いきなりの出来事だったし、
疑問に思うのも当たり前か。
A「鬼の能力血については
お話しましたよね？
私の能力血は戦癒血。
戦闘に長けた力と、
どんな傷も治してしまう治癒血を持っています。
私の血を飲んだ人の怪我は治ってしまうんです」
だけど、と続けた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 185人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - こちらこそです。 (2020年5月22日 17時) (
レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» 何度も読んで頂きありがとうございます！これからもよろしくお願いします☆ (2020年5月22日 8時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - コメントお願いします。嬉しいです。何度も読んでます。 (2020年5月21日 22時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
まほろ(プロフ) - 斎藤ようこちゃんさん» こんにちは！レスが遅れてしまい、申し訳ありません。気に入っていただけたようで嬉しいです♪こちらは完結しておりますので、最後まで楽しんでいただけると嬉しいです！コメントありがとうございます☆ (2020年5月21日 21時) (レス) id: 186b1c0f08 (このIDを非表示/違反報告)
斎藤ようこちゃん(プロフ) - はじめまして。素敵な作品です。気に入りました (2020年5月16日 21時) (レス) id: e53507092f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：まほろ | 作成日時：2019年8月27日 9時
