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｢中学２年生の時かな｣
｢えっ！私より年下の時なんだ…｣
中学生で漫画連載…！？
想像がつかない。
中学生の時と言ったら、アーケードゲームに目覚めたり、好きなキャラクターと恋人になる妄想ばかりしてた……。
｢Aちゃんいくつなの？｣
｢高校二年生です！すごいです先生…中学生なのにお仕事してる｣
｢照れるな。漫画を描いてたのは僕だけど、相方の野部流来人がシナリオを書いてくれてたのでとても描きやすかったよ｣
野部流来人先生。
野部流先生は萌先生と共にシルキーナナを作り上げた、いわば神のような人だ。
シナリオを野部流先生が、漫画を萌先生が担当していた。
バクマンを彷彿とさせるなあ……すごい。
知らないことだらけで聞いててワクワクする。
｢野部流さんも、中学生だったんですか？｣
｢ああ、そうさ｣
伏し目がちな先生は、昔のことを思い出しているようだった。
｢すごいなあ〜その年で夢を実現できるなんて｣
｢君も、夢あるの？｣
｢それが、自分に自信がなくてなりたいものどころじゃないです｣
そう、私には夢がない。
絵を描くことは好きだ。
でも自信が無い。
｢何か出来るものがあればいいけれど…｣
｢まだ君は若いじゃないか、僕達が異例だっただけだよ｣
にこりと笑い、私の背中をポンッと叩く。
｢人生は長いのだから、ゆっくり決めればいい｣
｢先生…｣
｢また、本気で何かやりたくなったら、良ければ僕に教えてよ｣
にこ
｢いくらでも見るよ｣
優しい、な…むしろ喜んでくれてる様で安心した。
｢ありがとうございます！｣
その日は漫画の話や他愛のない話をして別れた。
｢気をつけて帰ってね｣
｢ありがとうございます、また｣
家に帰るまでドキドキが止まらなかった。
憧れの萌先生。
こんな所で会えるなんて思わなかった。
変なこと喋ってなかったかな。
ああ、緊張した…。
明日も、会えるだろうか。
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作者名：夢子(む〜こ) | 作成日時：2020年3月22日 23時
