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漫画萌。
それは、その名前は……
…私の大好きな、憧れのシルキーナナの作者だった。
｢………えっ｣
思わず息を飲んだ。
萌って名前だから女の人だと思っていたけれど、男の人だったんだ。
……ここで萌先生に会わなければ、私の世界はずっと影のままだっただろう。
ずっと憧れだった人が目の前にいる。
｢シルキーナナ、の…？｣
｢わ！そうそう！それ！十年も前の漫画なのによく知ってるね｣
｢知ってるも何も大ファンです…っ！漫画全巻持ってるし、今だってほら…キーホルダー！｣
私はナナが大好きで、もう何年も前に発売されたキーホルダーをずっと付けていた。
ナナが居るから頑張れた。
ナナが居るから、私は今ここにいる。
｢…！え、、え、ほんとにナナ？｣
｢はいっナナです…！｣
あたふたしてしまい、変なことを喋っていないか不安だ。
こんな偶然あるだろうか。
｢…驚いた、今時ナナを知っている子なんて少ないから｣
嬉しそうに微笑んでいる。
この人が、漫画萌先生……。
｢あ、握手…してもらっても…？｣
｢ああうん！喜んで！｣
震えちゃう…もう嬉しすぎる。
｢ありがとう、僕も嬉しい｣
｢よ、良かったです｣
顔、赤くないかな。
ダメだ、こんな幸せなことあっていいのか。
男の人の涙、初めて見た。
しみじみしていると、自分の頬から涙が伝う。
｢えっ｣
｢あ、あ、ごめんなさい…っ｣
な、泣いちゃった…引かれただろうか。
｢小さい頃シルキーナナを見てからずっと大好きで、今でも心の支えになってます…｣
ぽろぽろと溢れ出る涙。
｢先生の絵、大好き…です｣
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作者名：夢子(む〜こ) | 作成日時：2020年3月22日 23時
