＜歌い手＞「あなたとの同居生活はドキドキの連続で」＜vip店長＞

同居生活　９ ページ10

主「えっ…

じゃあ、この家具はどうしたの？」

店「もちろん、俺がぜーんぶ揃えた！」


…そ、揃えたって…

目も前のベッドも、オレンジのカーテンも、足元のクッションも、可愛いウサギのぬいぐるみも窓際のブルマを履いた女の子のフィギュアも…







全部、店長が？

私なんかのために？







主「…………

ひっ…く…、うぅ〜」


店「…え、ちょっA！？」







気づいたら


泣いていた。



本当は、自分が思っているよりずっと、心の不安は大きかったのかもしれない。








私は今年で高校２年生。
新しいクラスに馴染むのさえ大変だったのに、急に父の転勤が決まった。


しかも海外。
社員を海外に飛ばすなんてどんな会社だよ←

そんでお父さんは何をしでかしたんだ。


母は父についていくといった。

しかし私は言葉もろくに通じない国へ行くなんて、まっぴらごめんなんです。


一人で日本に残ることを決めた。





その後、いろいろあって店長の家で暮らすことになったけど、やっぱり昨日の夜は眠れなかった。


「いつも通り笑っていればなんとかなる」そう信じて家を出た。









ーそして今、私のために綺麗に飾られた部屋を見て確信できた。


私はここでやっていける。
店長と一緒に、ここで暮らしていけるって。








安心したら涙が止まらなくなった。


店長の心遣いが直接心に染みたんだ。









ーーでもブルマ女子のフィギュアはいらねーな。(；一_一)

同居生活　１０→←同居生活　８

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す