＜歌い手＞「あなたとの同居生活はドキドキの連続で」＜vip店長＞

同居生活　２ ページ3

いや違う？
男性にしては声が高いように思えた。

？「……

ーあ、もしかして、今日からここで暮らす子？」

どうやら私の存在に気付いたようで。
少し首を傾げる仕草がとても可愛い。
右手には、肌色のペンキを持っている。

…やはり、ドアや屋根を塗り替えていたことに間違えは無さそうだ。

主「えっと、はい！
天知さんのお宅でいらっしゃいますか？はじめまして、卯宮Aです！」

そう、私がお世話になるのは『天知要』さんという方。
私の母が、五年前に知り合ったと言っていた。

？「うん！俺は天知要！
vip店長って名前で歌い手やってるよ。」

「知ってるかな？」と苦笑いの天知さん。

…し、知らない……

残念ながら、私は今まで明るさと元気だけをフル活用して生きてきたようなもの。
なのより、笑っていれば友達が寄ってきてくれたため最近流行りのものやニュースなどにあまり詳しくはなかった。もちろん友達にそういうことに詳しい子はいるものの、特に興味が湧く事もなく過ごしてきた。

でも、目の前で笑っている天知さんを見たら、知らないなんて言えるはずもなく…

主「あっ、あぁ〜！
あのv…vip店長さん！
わ、私大ファンで…？」

つい、そう答えてしまった。

店「そうなの？

うれしいな〜♪これからよろしくね」

天知さんはニコッと微笑んで、ペンキをもっていない左手を私の前へ差し伸べる。

…このまま知ってるふりなんて、できない。

私の中で罪悪感がよぎった。

そして、とっさにその手をつかむ。

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