＜歌い手＞「あなたとの同居生活はドキドキの連続で」＜vip店長＞

同居生活　１０ ページ11

〜vip店長side〜


目の前で、Aが泣いている。

こういう時って、どうすればいいんですかねっ！？


店「え、えっと…
あ！何か嫌なものがあるとか！？どれどれ！？すぐに部屋から出す！」



するとAは、うつむいたまま窓際に置いてあるフィギュアを涙で少し湿った手で取って…


主「…コレはいらない、確実に」

店「……あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ！
俺の美紀ちゃん！」


ー投げた。
正確には、床に叩きつけたと…とでも言うんだろうか

俺は急いで『美紀ちゃん』に駆け寄る。


店「ちょっとA！
美紀ちゃんに何の恨みがあるっていうのさぁっ！」


後ろを振り返ると、そこにはフニャっと笑うAの姿。


主「店長、フィギュア投げてごめん。

…でも、私この部屋すっごく気に入った！
ベッドもカーテンもクッションも全部！

わざわざ私のためにありがとうっ！店長！」


まだ少しだけ、涙を浮かべる綺麗な瞳で俺を見つめる。





Aの笑顔を見たら、美紀ちゃんのことなんてどーでもよくなってきた。(ごめんね美紀ちゃん)



店「…そ、そっか！
Aに喜んでもらえて良かった♪

頑張って家具選びに行ったかいがあったよ！」


そして、二人で目を合わせて笑いあう。


ちゃんと仲良くなれて、よかった。









…いつまでもニコニコとしているAを見て、本日二度目のドキドキを感じたのはここだけの話。

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