〇１０● ページ34
・
――公園から家に向かう間、何気ない話をした。
潤君は泣き疲れたのか、少し眠そうな顔してて。
気持ちも体も疲れてるのに俺の話に笑ってくれたりして。
その小さな笑顔に、ほっとする。
家についたらまず着替えをさせる。
・
・・・そりゃさ、会った瞬間、何があったか聞きたかったよ。
でも出来ない。まず潤君を泣き止ますのが先、安心させるのが先だと思った。
だったら話は家で聞くのが一番。
潤君も公園で泣き止んだ後話そうとしてたけど、軽いキスで止めた。
・
和「はい、どーぞ？」
潤「ありがとう・・」
温かい飲み物を渡して、ソファで隣に座る。
潤「・・こんなんじゃ、どっちが年上か分かんないよね・・」
和「ん？」
潤「・・和はいつも冷静でさ、俺にとっての１番を考えてくれる」
和「・・」
潤「なのにおれは、それができてない・・俺の気持ちを、押し付けてるだけ」
和「そんなことないよ」
潤「あるよ・・だから、しょおくんに言われるまで、気づかない・・」
和「・・翔さん？」
潤「・・！」
急に出てきた名前に驚く。
潤君も言う気はなかったみたいで、驚いたように俺を見る。
・・・もしかして、翔さんに何か言われた・・？
・
嫌な考えが、頭をよぎる。もしかして気持ち伝えた？
いや、でもそうすると俺に気持ちを押し付けてるっていうのはおかしい。
翔さんへの罪悪感で泣いてるなら、俺が出てくるのは変だ。
・
和「潤君、どういうこと？」
潤「・・」
優しく、目を見て問いかける。
潤君は一瞬視線を彷徨わせたけど、決心したように、俺を見る。
・
潤「・・これね、編んでたの。会社で少しずつ・・」
鞄から出したのは、淡い黄色のマフラー。
まだ最後の方が途中で完成してはないみたいだけど・・。
和「・・もしかして、これ、俺に・・？」
潤「っ、っ・・う、ん・・っ」
和「え、ちょ、なんで急にそんな泣くの・・？」
マフラーをぎゅうって掴んで、ポロポロ泣く潤君。
和「そんな掴んだらほつれちゃうよ・・」
潤「いいっ・・！捨てる、こんなの・・捨てる・・！」
和「待って潤君！どうして？俺、うれしいよ？」
潤「そんなの、うそだもん！！」
ゴミ箱に捨てそうな潤君を必死に止める。
潤君が俺のために編んでくれたマフラー。めちゃくちゃうれしい。
なのに、どうして――？
・
・
潤「・・しょおくんは、男なのに気持ち悪いって言ったもん・・！！」
・
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 754人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
しゅん(プロフ) - こんばんは。このお話も大好きで、続きを楽しみにしていました。潤くんも翔さんも苦しんでいたから、悲しくない終わり方でよかったです。これからも楽しみにしています（≧∇≦） (2016年11月15日 18時) (
レス) id: 149eaed56c (このIDを非表示/違反報告)
ryou(プロフ) - こんばんは。こちらには初めて書き込みさせてもらいます♪ふわふわでかわいい年上潤君とちょっとしっかり？してるように見えてヤキモチ妬きな和君二人がとてもかわいくて楽しませてもらいました(*^^*) (2014年11月4日 22時) (レス) id: d42aa69258 (このIDを非表示/違反報告)
あーや - すいません 2回やりました。 (2014年11月4日 20時) (レス) id: 40f3e14259 (このIDを非表示/違反報告)
あーや - このお話大好きです！これからも頑張ってください！ (2014年11月4日 20時) (レス) id: 40f3e14259 (このIDを非表示/違反報告)
あーや - このお話大好きです！これからも頑張ってください！ (2014年11月4日 20時) (レス) id: 40f3e14259 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：みゅうな
| 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/gen.php/novel/
作成日時：2014年8月30日 1時
