Murder on D street -6- ページ6
「まだ判ってないの？名探偵は調査なんかしないの。
僕の能力『超推理』は一度経視すれば犯人が誰で何時どうやって殺したか瞬時に判るんだよ。
どこに証拠があってどう押せば犯人が自白するかも啓示の如く頭に浮かぶ」
「巫山戯るな。
そんな力が有るなら俺たち刑事は皆免職じゃないか！」
「まさにその通り。
漸く理解が追いついたじゃないか」
「────ッ！」
小馬鹿にした様な物言いに腹を立てた箕浦がキッと乱歩を睨み付けた所で、
「まあまあ刑事さん落ち着いて。乱歩さんは終始こんな感じですから」
太宰が間に入って制止する。
「僕の座右の銘は『僕がよければすべてよし』だからね！」
一方の江戸川は良い笑顔でとんでもない座右の銘を言い放った。
「(座右の銘聞いてこんなに納得したの初めてだ……)」
中島敦：座右の銘『生きているならいいじゃない』
「うふふ」
太宰治：座右の銘『清く明るく元気な自 殺』
「乱歩さんらしいな」
高見A：座右の銘『傷付いたのは生きたからである』
最早まともなのはAくらいだ。
「そこまで云うなら見せて貰おうか、その能力とやらを！」
そんな三人をよそに箕浦が言う。
「おや、それは依頼かな？」
「失敗して大恥をかく依頼だ！」
箕浦の言葉に満足気に笑みを浮かべる。
「あっはっは。最初から素直にそう頼めばいいのに」
「ふん。何の手がかりもないこの難事件を相手に大した自信じゃないか。何なら６０秒計ってやろうか？」
「そんなにいらない」
笑って言い放った。
60秒もいらない、と。
「敦君、よく見てい給え。探偵社を支える能力だ」
「(乱歩さんの異能……『事件の真相が判る能力』本当にそんなものがあるのか……!?)」
敦は太宰に云われて乱歩に注目する。
乱歩が眼鏡を掛ける。
そして、云った。
「異能力────『超推理』」
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
Aさんの座右の銘『傷付いたのは生きたからである』は実在します！
他にも色々あったので気になる方はぜひ…。
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作者名：水無月碧音 | 作成日時：2018年6月25日 16時
