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人生万事塞翁が虎 -6- ページ10

夜、十五番街倉庫────



太宰は倉庫の中で

木箱に座り“完全自 殺読本”を黙々と読んでいた。

「(うげっ)」

順は手袋を嵌めた手を眺めている。

「……本当にここに現れるんですか?」

余りにも緊張感の無い空気に思わず尋ねた。

「本当だよ。心配いらない。虎が現れても私の敵じゃないよ。

こう見えても『武装探偵社』の一隅だ」

太宰は本から目を離さずに言い放つ。

「はは…凄いですね、自信のある人は。僕なんか、孤児院でもずっと「駄目な奴」って言われてて────

そのうえ今日の寝床も明日の食い扶持も知れない身で」

「……」

Aは手袋から目線を敦へと移した。

「こんな奴がどこで野垂れ死んだって……

いや、いっそ喰われて死んだ方が────」


「……却説────そろそろかな」

太宰がそう云い天窓から覗く月を見上げる。

瞬間

ガタン、と倉庫内に物音が響く。

「!今……そこで物音が!」

「そうだね」

「きっと奴ですよ太宰さん、Aさん!」

「否、風で何か落ちたんだろう」

Aは冷静に首を振った。

「ひ、人食い虎だ…僕を喰いに来たんだ」

「座りたまえよ、敦くん。虎はあんな処からは来ない」

「ど、どうして判るんです!」

「そもそも変なんだよ敦くん」

太宰はパタンと本を閉じる。

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水無月碧音(プロフ) - 蓮(ルイ)さん» 覚えました!宜しくお願いします。最近少し忙しいですが次からは続編なので頑張ります! (2018年5月7日 23時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
蓮(ルイ) - 名前が変わっていると思いますが一応ルイです!これからは蓮です!更新楽しみにしています! (2018年5月7日 23時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - ルイさん» ありがとうございます!暇つぶしで描いている絵を褒めていただき嬉しいです!頑張ります (2018年5月4日 18時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)
ルイ - 絵が凄いです!驚きました!更新楽しみにしています! (2018年5月4日 14時) (レス) id: aeb99a7d73 (このIDを非表示/違反報告)
水無月碧音(プロフ) - 神無月碧依さん» そう言って頂き嬉しいです!頑張りました(笑) (2018年3月7日 17時) (レス) id: f79b747f8a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水無月碧音 | 作成日時:2018年1月1日 22時

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