第１８２話 ヒナドリ ページ16
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母親「シチロウ！」
バラム「？」
振り返る、幼き頃のバラム。
母親「何してるの？
帰るわよ。葉っぱ、いっぱいつけて…」
バラム「はぁい。」
そう言われ、いじける彼。
母親「……シチロウ、何か手に持ってるでしょう。」
バラム「……もってない。」
母親「だ〜め！嘘ついても、すぐ分かるんだから！
ほら出しなさい！」
バラム「………」
嘘をつく彼だったが、母親に言われ持っているものを出した。
―――ちょこーん。
母親「あ〜〜〜〜ッ、またこの子は！かえしてきなさい！！」
バラム「ちょっとみるだけ…」
母親「だぁめ！この前も、見るだけって拾ってきて弄くり回してたでしょ！」
そう言われ、小さい魔物を元いた場所へと返したのだった。
バラム(幼少期)ＳＩＤＥ〜
物心ついた頃には、生き物が気になっていた。
なぜ、こいつは僕と歩き方が違うのか。
こいつには尾が３つもあるのに、なんで目が１つしかないのか？
ひたすら見て調べて高まる。
未知なる生物への探究心。
とにかく、気になるから見る調べる見る調べる。
両親は、そんな僕をよく叱ったが…
バラム「やっぱり、実物を見ないと…よくわかんないや…」
探究心に歯止めはきかず―――…
―――ガサ…
バラム「いないなぁ…もうちょっと奥かな…」
大怪鳥注意！立ち入り禁止…
と書かれていた看板を無視し、草むらをかき分けながら探した。
―――ポスンッ
バラム「お」ｷﾗｷﾗ
頭の上に、羽が落ちてきて目を輝かせた。
そして、気づいたら…
ひからびた枝木の上にいた。
岩の隅から見た。
此処は、大怪鳥の巨大な巣穴だった。
それから一夜を越え…
バラム「…ごはん。」ぐぎゅるるる
とにかく、何か食べたくて大怪鳥の卵に近づいた。
大怪鳥「オォォォォ！！」
バラム「！！？」
その時、初めて―――…
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作者名：猫 | 作成日時：2024年2月6日 14時
