【あんスタ】オレの隣の湊さん2【漣ジュン】 (ページ28)

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会場内に衝撃が走った。

《あの明星を覚えていますか？》

SSの本戦進出のためにTrickstarがステージに上がった途端スクリーンに映されたのは、業界が揉み消したとされる明星さんのお父さんに関する告発映像。

明らかに何者かがTrickstarを潰すために行ったものだというのは明らかで、Trickstarもオレたちも全く想定してなかった非常事態だった。

けれど、Edenの控室に戻ればコズプロ上層部がニヤニヤと笑っていて、いくら馬鹿なオレでも「あぁコイツらがやったんだ」とすぐに分かった。

親父の時代から全く変わらないゲスいやり口に、オレはイライラが止まらない。

だけど、それ以上に”お客さんが帰ってしまわないか”が心配だった。

実際、既に会場の外に人の動きが流れていっているらしい。

(このままお客さんがいなくなってしまったら、SSが成り立たない)

けれど、出場者であるオレが何か出来るわけではないため、悔しい気持ちのままただこの状況を眺めるだけ。

(SSを台無しにしたくない。けど、一体どうすれば……！！)

「_______________皆、聞こえるか？」

突然聞こえた、マイク越しの声。

その声は、オレの聞き馴染みのあるもので、けれど、このSS自体に参加していないアイドルの声だった。

そのアイドルがステージ上に姿を現した途端、会場内から今日一の歓声が湧き起こった。

「キャー！！瑠依くんだ！！」

「えっえっえっ、本物？？」

「ウソウソウソウソ！！え！？」

ステージ上に上がった湊先輩は、聞こえる歓声一つ一つに「ありがとう」と反応していた。

私服で着ていた先輩は、イヤモニをつけヘアメイクも完璧に仕上げ、何処から持ってきたのかサイズぴったりの衣装を身にまとっていた。