【あんスタ】オレの隣の湊さん2【漣ジュン】 (ページ1)

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_______________湊さんが眠ったまま、1週間が経った。

「失礼しま～す。今日も来ましたよ、湊さん」

とある休日の日に、オフだったオレは1人湊さんのお見舞いに来ていた。

いつもはおひいさんと一緒来ているが、今日はおひいさんが地方の仕事でおらず、1人で来たというわけだ。

「そういやぁ。今放送されてるアニメの主題歌、あんたが作詞してたんすねぇ。話題になってますよ」

以前、メッセージでそのアニメのことが話題になっていたけれど、湊さんは何も言わなかった。

だから、実際放送されてテロップを見たとき、少しビックリしたのを覚えている。

「作詞してたんすかぁ？」と聞いて湊さんの反応が見たかったけれど、それは今は叶わない。

「待ってます。あんたが目を覚ますのを」

あんたと会話出来ないのは、少し寂しい。

周りも、あんたがいないと活気がない。

けれど、それ以上に_______________

「先輩は……湊先輩は、あんたがいないとダメなんです」

それは、おひいさんから聞いたことだった。

ボイストレーニングの授業で、先輩が歌わなければいけないシーンがあったらしく、先生に指名された先輩は、いつものように歌おうとした。

_______________けれど、湊先輩は声が出なかった。

湊瑠依の最大の魅力である歌声が、出せなかったらしい。

『妹の件でのショックだったりストレスが原因らしいね』

と、先輩の声が出なくなった原因について、おひいさんは言っていた。

「湊瑠依は、あんたがいてこそ輝けるアイドルなんです。だから……早く目を覚ましてください」

点滴が繋がれていない方の手を、ゆっくりと取る。

初めて取った、湊さんの手。

女の子らしい、綺麗で長い指のついたオレより一回り小さな手は、たしかに温かかった。