☆*キックオフ1『Jun&Mao』*☆

☆*8話*知られる真実* ページ35

松岡は『心、ここにあらず』であった。


ニノ『監督！』


松岡『あっ、』


ニノ『どうしたんですか？ぼぉ〜として』


松岡『あぁ、すまない‥』


松岡はﾌﾟｼﾞｮﾙに誘われてから自分が15年前ｽﾍﾟｲﾝに行き 潤の母親と別れた事が頭から離れずにいた。


松岡『ニノ、お前を信じて相談したい事がある…』


ニノ『え？』


二人は部活が終わった後、ｶﾌｪに寄った。


飲み物を注文すると、松岡は語り出した。



松岡『実はｽﾍﾟｲﾝに僕の知り合いがいて、今、日本に滞在してるんだ。昨年の潤の‥いゃ、松本の全国大会の試合も一緒に観に行って、彼に松本をｽﾍﾟｲﾝに1年間連れて行きたいって言われているんだ…』


ニノ『監督…。俺、監督と潤の関係知ってるんだ』


松岡『え？』


ニノ『監督と潤が部室で話してる時、倉庫にいたんだ。俺はまだ潤と知り合ったばっかりだし、ｱｲﾂの過去の話なんて何にも知らないから驚いたというか…』


松岡『そうだったのか…』


松岡『僕は15年前、小さな潤と母親残してｽﾍﾟｲﾝに行ったんだ。あの頃は二人を連れていく余裕も自信もなかった…。でも僕の人生の中で今しかないって思った。別れたのもそれが原因だ』


ニノ『・・・』


松岡『潤にきたｽﾍﾟｲﾝの話もｱｲﾂにとってはいい話なんだ。将来ﾌﾟﾛを目指すとか関係なく、ｱｲﾂはｻｯｶｰが大好きなんだ。1年間だけでもｽﾍﾟｲﾝのｻｯｶｰを経験できたら、ｱｲﾂの人生の中でどんなに意味のあるモノになるか‥。ただ‥俺と同じ道を歩かせてしまうようで‥話をするべきかどうか迷ってるんだ‥』


バタンッ


大きな椅子の音がして、振り向くと潤が立っていた。


潤は山下と 二人でこの店に入っていたのだ。


潤は店を飛び出してしまった。


山下『先輩！』


松岡『潤！』


ニノ『監督、俺に任せて！』


・・・・・


ニノ『おい！潤！待てよ！』


ニノは潤に追いついた。


ニノ『知ってたのに黙っててごめん…』


潤『別にそんなの構わないよ』


ニノ『俺んち、父ちゃん体弱くてさ。入院しっぱなしなんだ』


潤『え？』


ニノ『だから松岡監督がおやじみたいに俺の事可愛がってくれてて…相談にのってくれて。監督にはめっちゃ世話になってるんだ』


潤『そうだったんだ…』


ニノ『まさかお前のおやじだとは思ってもみなかったよ(笑)』


潤『・・・』


ニノ『監督なりの訳もあったんだろうけど、心の温かい良い人だよ。監督は』(ニコ)



潤『ニノ…』

☆*9話*複雑な想い*→←☆*7話*乙女高校ｻｯｶｰ部start*

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