☆*キックオフ1『Jun&Mao』*☆

☆*16話*兄心* ページ20

真央は先に走って帰ってしまった。


旬兄『あれ？俺、変な事言った？』


潤『言ったでしょ』


旬兄『俺は付き合ってるのかと思ってたよ』


潤『付き合ってねぇよ』


旬兄『え？恋愛感情なかったの!?』


潤『それは‥‥』


旬兄『好き！って言ったり、手繋いだり、ﾁｭｳしたりしてないの？』


潤『えっ？？し、してねぇ〜よ///』


(ヤバい‥、明らかに動揺してしまった)


旬兄『…だよなぁ〜！ｱｲﾂにそんな事したら殴られそうだもんな！』


潤『ﾊﾊﾊ…』


(そんな事ない…。ｱｲﾂは…あんな事をしてしまった俺に優しくしてくれた…)


旬兄『お前、ﾕﾆﾌｫｰﾑに御守りついてなかった？』


潤『ついてたよ。』


旬兄『それさ〜、うちの母ちゃんが高校生のｻｯｶｰって観てて怖いからって俺に御守り買ってやるって言って(旬兄もｻｯｶｰ続けてます♪)家族でﾄﾞﾗｲﾌﾞがてらお参りに行ったんだよ。
さすがに母ちゃんに貰っても持たねぇよ、って思ってたら真央も買っててさ！
妹ならつけてやってもいいかなぁ〜って思ってたら「旬兄のじゃないから！」って言われたよ(笑)』


旬兄『すぐにお前のだって思ったよ。』


潤『・・・』


旬兄『そのﾕﾆﾌｫｰﾑ縫ってる時、ｱｲﾂ泣いてたから何かあったのかな〜って思ってた。』


潤『泣いてた？』


旬兄『そう。でさ、御守りの所に文字縫ってあったの気付いたか？』


潤『文字？』


旬兄『ｱｲﾂがいない時、気になって見ちゃったんだよ。泣いてたしさ』


潤はカバンをさぐりﾕﾆﾌｫｰﾑを出した。


『JUN-FIGHT！』と縫ってあった。


旬兄『俺が思うに、その言葉にはもう１つ想いが込められてると思うよ。』


潤『もう１つ‥‥？』


旬兄『そう。俺は潤が引っ越して来た時からお前ら二人を見てるからさ‥‥』


旬兄『真央はあれでも女の子だから、お前から男らしく言ってやらなきゃ。まぁ、ｱｲﾂの事好きだったらの話だけどな。』


潤『・・・』


潤は家に着くと、部屋のベッドに横になった。
今までの事を思い返していた。



引っ越したばかりで、馴染めなかった俺に
ｻｯｶｰ上手だねって褒めてくれた。あの言葉は俺にとって何よりも嬉しかった。



ｱｲﾂが姫華に呼ばれた時も、自分の事よりも試合頑張れって俺の事心配してくれた…



あの時のｷｽだって、ｱｲﾂの気持ちも考えないで…




でもｱｲﾂは優しい瞳をしてくれた…



ｱｲﾂはいつも俺の事を1番に考えてくれていた…



それなのに、俺は‥‥

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