その時、私の決断は………

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朝起きたらまだちょっと疲れが取れてなかった



肉体なんてしたことないから少しダルい



だからってゴロゴロなんかしてられない



また短期のバイトを探すか
給料は1ヶ月後になっちゃうけど
ちゃんとした正社員の仕事を探すか



今まで甘えてきた人生



お金を稼ぐ事の苦労を思い知らされる



辛いけど頑張らなくちゃ



今日の夜は太輔のバイトも劇団の公演や練習も
ないって言ってたから会う約束をした




日中は就職活動をして夜に待ち合わせ場所に向かう



数日会ってないだけなのになんだかドキドキする



「A！」



大好きな声に振り返る



『太輔！』



私は太輔に駆け寄った



本当は抱きつきたかったけど
人が沢山いる駅前だから我慢



それでも嬉しくて太輔の手を握る



『会いたかったよ』



「俺も」



やっぱりお父様に認められなくても
お金が無くても私には太輔がいればそれでいい



「お腹空いたからなんか食べようよ」



『うん！なに食べたい？』



「なんでもいいよ」



『中華料理とかどうかな？太輔も好きだよね？
安いお店…………あるかな？』




「中華なら俺、安くてうまい店知ってるから」



太輔は私の手を引きお店まで案内してくれた



「ちょっとボロいけど味は絶品だから」



私の大好きな中華料理



今までは高級なお店でのディナーばかり
だったから落差が激しすぎる



これからはこういう店やお金のない生活に
なれていかなければいけないんだ



ちょっと悲しい気もするけど
私に向けられている太輔の笑顔の方が
大切だから



『んっ！このエビチリ美味しい！』



「だろ？これ680円だから」



『ウソ？こんなに美味しいのに？』



「しばらくは安くて美味しいもの食べて
なるべく節約しないとね」



優しい笑顔に私は素直に頷いた



「それより………お父さんと仲直りできそう？」

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