にほんごのせんせい。【YG】(完結)

33 ページ33

(YG side)


ある日の事務所で休憩中、
メンバーと窓にもたれながら喋ってると窓の外から、


｢おいっ逃げんなよ、おらっ｣


かなんかデカい声がした。

喧嘩か？



何気に外を見ると、先生が男に腕を捕まえられて、何やら言われている。



旦那か？



身体が勝手に動く。

すると、ジンヒョンに腕を捕まえられる。






｢ユンギ！落ち着け！ファンもいるんだから。

マネージャーに頼もう。｣





ヒョンが、マネヒョンに言って、マネヒョンが外へ。


男から先生をひきはがし、先生に中に行くように言う。


先生が逃げるように事務所に入ってきたところ、オレが捕まえた。



それだけでも、先生はビクッとする。





｢大丈夫？｣



震えている。



｢旦那？｣




頷きながら、抱きついてきた。

怖かったんだな。














(Aside)



彼らも忙しくなってきて、久しぶりの授業。


事務所に入ろうとした瞬間、事務所の前で、急に誰かに腕を掴まれる。

見ると、夫だった。




｢ずいぶん、探したよ。急に消えるんだから。

やっとみつけた！

日本語学校も辞めたんだって？

アイドルに日本語教えてたなって、……しばらく見張ってたんだよ。｣





｢離して！！｣



必死で振り払おうとするけど、男の力にはかなわない。



｢おいっ、逃げんなよ、おらっ！

オレは離婚なんてするつもりねぇからな。

勝手に裁判とかしてんじゃねぇよ！｣





しばらく、もがいていると、中から、マネージャーさんが出てきた。




｢とりあえず、中に逃げてください。｣


そう言って、助けてくれる。






｢離婚はしねえからな！｣




中に入る時に聞こえる叫び声。




殴られた日々がフラッシュバックする……怖い。







と、誰かに腕を捕まえられた。



｢大丈夫？｣

ミン・ユンギだ。





思わず、抱きついた。



｢怖かったよな、もう大丈夫だから。｣


抱きしめかえしてくれる。







ミン・ユンギの腕の中は安全だ。






その日は、授業はキャンセルさせていただいた。







またいつこの事務所にくるかも分からない。


迷惑は掛けられないから、
もう、彼らの日本語のレッスンも辞めさせてもらおう。


そう思っていたのに、弁護士にもきちんと話をしてくれ、
接触禁止命令も出しているから大丈夫だとの事。




でも、念の為、今後は、タクシーでの通勤で、事務所の地下からの出退勤となった。

34→←32 YG

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す